「承知」「了解」「承りました」「かしこまりました」の違いと使い分け【ビジネス返信の基本】

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ビジネスメールや会話で相手の依頼や指示を受けた際、「承知しました」「了解しました」「承りました」「かしこまりました」などの返事を使い分けていますか?

これらは一見似ているようで、実はビジネスシーンでの印象が大きく異なります。

相手との関係性や状況によって適切な表現を選ぶことが、ビジネスマナーの基本です。

この記事でわかること

  • 「承知」「了解」「承りました」「かしこまりました」それぞれの正確な意味と語源
  • ビジネスシーンにおける4つの表現の適切な使い分け方
  • 上司・同僚・取引先など相手別の最適な表現選び
  • よくある誤用例と正しい使い方
  • すぐに使える実用的なビジネスメール・会話例文
  • これらの表現の歴史的背景と文化的意味
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  1. 基本的な意味の違い
    1. 各表現の意味と特徴の比較表
  2. 使い分けのポイント
    1. 社内でのコミュニケーション
      1. 上司から指示を受けた場合
      2. 同僚との会話
      3. 部下への返答
    2. 社外とのコミュニケーション
      1. 取引先・顧客への対応
      2. 公式文書・契約関連
      3. サービス業での接客
  3. よくある間違い & 誤用例
    1. 🚫 誤用例と ✅ 正しい使い方
      1. 目上の人への「了解」
      2. 顧客への軽い返事
      3. 「かしこまりました」の使いすぎ
      4. 「承知」の乱用
      5. メールでの誤った締め方
  4. 実践的な例文集
    1. ビジネスメールでの例文
      1. 上司へのメール返信
      2. 取引先への受注確認メール
      3. 顧客からの問い合わせへの返信
    2. 会話での例文
      1. 会議での指示を受けた場合
      2. 顧客からの電話対応
      3. 同僚からの協力依頼
    3. 文書での例文
      1. 社内報告書の確認返信
      2. 契約書の受領確認
  5. 文化的背景・歴史的背景
    1. 「かしこまりました」の由来
    2. 「承る」の歴史
    3. 「了解」の近代的変化
    4. 日本的ビジネス文化との関連
  6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1:「了解です」と「了解しました」はどちらが正しいですか?
    2. Q2:英語のビジネスメールでは何と返信するのが良いですか?
    3. Q3:LINEやチャットツールでの業務連絡では何を使うべきですか?
    4. Q4:「かしこまりました」は使いすぎると変ですか?
    5. Q5:「承知しました」と「承知いたしました」の違いは何ですか?

基本的な意味の違い

「承知」「了解」「承りました」「かしこまりました」は、いずれも「わかりました」「受け入れました」という意味を持ちますが、ニュアンスと適切な使用場面が異なります。

それぞれの表現の本質的な違いを理解しましょう。

各表現の意味と特徴の比較表

表現基本的な意味フォーマル度適した相手特徴
承知(しょうち)理解し受け入れる★★★☆☆上司・同僚・部下汎用性が高く、社内でよく使われる
了解(りょうかい)内容を理解する★★☆☆☆同僚・部下・親しい取引先やや軽めで、特に部下や同僚に対して使いやすい
承りました敬意を持って受け取る★★★★☆社外・上位者・顧客「承る」の丁寧語で、特に顧客対応に適している
かしこまりました敬意を込めて従う★★★★★重要顧客・上位者最も丁寧で格式高い表現

「承知」は「理解して受け入れる」という意味で、社内でよく使われる汎用性の高い表現です。

「了解」は単に「内容を理解した」というニュアンスが強く、やや軽めの印象があります。

「承りました」は「承る」という謙譲語を用いた表現で、特に顧客や取引先との対応に適しています。

「かしこまりました」は江戸時代からの伝統を持つ最も格式高い表現で、特に接客業や高級サービス業で用いられます。

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使い分けのポイント

状況と相手によって、これらの表現を適切に使い分けることが大切です。

ビジネスシーンごとの最適な選択肢を見ていきましょう。

社内でのコミュニケーション

上司から指示を受けた場合

上司からの指示に対しては、「承知いたしました」が最も無難です。

「了解しました」も使われますが、上司によっては軽く感じる方もいるため注意が必要です。

同僚との会話

同僚同士の場合は、「了解」「承知」のどちらも問題なく使えます。

親しい関係であれば「りょ」「りょうかい」などのカジュアルな表現も場面によっては許容されます。

部下への返答

部下からの報告や質問に対しては、「了解した」「わかった」など、やや簡潔な表現が適しています。

過度に丁寧すぎる表現は距離感を作ってしまう可能性があります。

社外とのコミュニケーション

取引先・顧客への対応

取引先や顧客に対しては、「承りました」「かしこまりました」を使うのが適切です。

特に重要な顧客や目上の方には「かしこまりました」が最適です。

公式文書・契約関連

公式文書や契約関連のやり取りでは、「承知いたしました」「了承いたしました」など、やや改まった表現が好まれます。

サービス業での接客

飲食店やホテルなどのサービス業では、「かしこまりました」が標準的です。

高級店ほど「かしこまりました」の使用頻度が高くなります。

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よくある間違い & 誤用例

これらの表現の誤った使い方を理解することで、適切なビジネスコミュニケーションが可能になります。

🚫 誤用例と ✅ 正しい使い方

目上の人への「了解」

🚫 「課長、明日の会議資料、了解しました!」

✅ 「課長、明日の会議資料、承知いたしました」

顧客への軽い返事

🚫 「ご注文内容、了解です」

✅ 「ご注文内容、承りました」または「かしこまりました」

「かしこまりました」の使いすぎ

🚫 社内の同僚に「かしこまりました」

✅ 社内の同僚には「承知しました」や「了解しました」

「承知」の乱用

🚫 単なる情報共有に「承知しました」

✅ 情報共有には「確認しました」や「拝見しました」

メールでの誤った締め方

🚫 「〜をお願いします。了解です。」

✅ 「〜をお願いします。よろしくお願いいたします。」

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実践的な例文集

実際のビジネスシーンで使える例文を状況別に紹介します。

これらの例文は、そのままコピーして使用することも、状況に合わせてアレンジすることもできます。

ビジネスメールでの例文

上司へのメール返信

田中部長

ご指示いただいた件、承知いたしました。
明日の午前中までに資料を作成し、ご確認いただきます。

佐藤

取引先への受注確認メール

株式会社〇〇
鈴木様

このたびのご注文、誠にありがとうございます。
ご依頼の商品10個を5月20日に納品する件、承りました。
納品日の前日に改めてご連絡差し上げます。

山田株式会社
営業部 山田

顧客からの問い合わせへの返信

お客様

お問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
ご質問の件につきまして、かしこまりました。
詳細を確認の上、明日中にご回答させていただきます。

カスタマーサポート
小林

会話での例文

会議での指示を受けた場合

「プロジェクトの進捗を週次でまとめてください」 →「承知いたしました。毎週金曜日までに報告書をお送りします」

顧客からの電話対応

「商品の仕様について確認したいのですが」 →「かしこまりました。詳細をご説明させていただきます」

同僚からの協力依頼

「この資料、明日までにチェックしてもらえる?」 →「了解。明日の午前中までに確認しておくよ」

文書での例文

社内報告書の確認返信

ご報告いただいた四半期決算の内容を承知いたしました。
特に問題はないと思われますので、このまま手続きを進めてください。

契約書の受領確認

契約書の送付、確かに受け取りました。
内容を確認の上、承知いたしましたことをご報告申し上げます。
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文化的背景・歴史的背景

これらの表現には興味深い歴史的背景があります。

日本の商取引や接客の伝統に根ざした言葉の変遷を理解することで、より適切に使えるようになるでしょう。

「かしこまりました」の由来

「かしこまりました」は江戸時代の商家で使われていた「畏まりました(かしこまりました)」が語源です。

「畏まる」とは「恐れ敬う」という意味で、目上の方への敬意を表す最高の表現でした。

特に老舗の料亭や高級旅館では今でも大切に使われている伝統的な言葉です。

「承る」の歴史

「承る」という言葉は、平安時代から使われてきた「うけたまわる」の意味を持ち、天皇や貴族の言葉を「受け賜る」という謙譲の気持ちを表していました。

現代のビジネスシーンでも、相手の言葉や要望を丁重に受け取る意味で使われています。

「了解」の近代的変化

「了解」は比較的新しい表現で、明治以降に西洋の概念「understand」の訳語として広まりました。

もともとは軍隊用語としても使われ、指示を「理解し受け入れた」という意味合いがありました。

現代では少しカジュアルな印象に変化しています。

日本的ビジネス文化との関連

これらの表現方法は、「以心伝心」や「和」を重んじる日本的ビジネス文化と深く結びついています。

単に「わかった」と言うだけでなく、相手との関係性や状況に応じて細やかに表現を変えることが、円滑なコミュニケーションの基盤となっています。

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まとめ

適切な返事の表現を選ぶことは、ビジネスコミュニケーションの基本スキルです。

状況と相手に応じた表現を使い分けることで、良好な人間関係を構築し、円滑な業務進行に貢献します。

覚えておきたいポイント

  • 相手との関係性 に応じて表現を選ぶ(上司、同僚、顧客など)
  • 場面のフォーマル度 に合わせる(社内会議、取引先訪問、公式文書など)
  • 業界や会社の文化 も考慮する(伝統的な業界ほど格式高い表現が好まれる)
  • 使いすぎ注意 の表現もある(特に「かしこまりました」は限定的に)
  • 言葉の 正確な意味と背景 を理解する

ビジネスシーンでの適切な言葉選びは、あなたのプロフェッショナリズムを示す重要な要素です。

この記事で解説した違いと使い分けを意識して、状況に応じた最適な表現を選びましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1:「了解です」と「了解しました」はどちらが正しいですか?

「了解しました」の方が正式な表現です。

「了解です」は砕けた印象を与えるため、ビジネスメールでは避けるべきです。

特に目上の方や顧客に対しては「承知いたしました」がより適切です。

Q2:英語のビジネスメールでは何と返信するのが良いですか?

英語のビジネスメールでは、「I understand」「Noted」「I confirm receipt」などが「了解」に相当します。

より丁寧にする場合は「I have received your message and will take care of it」「Thank you for your instructions, I will proceed accordingly」などが適切です。

Q3:LINEやチャットツールでの業務連絡では何を使うべきですか?

社内のLINEやチャットツールでは「了解」「承知」が一般的です。

さらにカジュアルな場では「りょ」「OK」などの略語も使われますが、公式のビジネスチャットでは避けるべきです。

取引先とのやり取りでは「承知いたしました」を使いましょう。

Q4:「かしこまりました」は使いすぎると変ですか?

はい、「かしこまりました」は最も格式高い表現のため、日常的な社内コミュニケーションで使うと不自然です。

主に接客業や顧客対応、特に高級サービス業で使われる表現です。

社内では「承知いたしました」で十分丁寧です。

Q5:「承知しました」と「承知いたしました」の違いは何ですか?

「承知いたしました」は「承知しました」に「いたす」という謙譲語を加えた、より丁寧な表現です。

上司や顧客など目上の方には「承知いたしました」を使い、同僚や部下には「承知しました」で十分です。

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