【結論】3つの使い分けルール
ご挨拶: 挨拶・紹介・自己紹介の場面で使用。「(相手への)ご挨拶」として謙譲語
お知らせ: 事実・情報を一方的に通知する場面で使用。決定事項の報告に最適
ご案内: イベント・サービス・場所などへの参加・利用を促す場面で使用。行動を呼びかける際に使用
なぜ正しい使い分けが重要なのか?
ビジネスシーンでは、相手に対する敬意と内容の性質を正確に表現することが信頼関係構築の基本です。
「ご挨拶」「お知らせ」「ご案内」は、それぞれ異なる目的と敬語の性質を持つため、間違った使い方は相手に違和感を与え、プロフェッショナルな印象を損なう可能性があります。
「ご挨拶」の正しい意味と使い方
基本的な意味
「ご挨拶」は自分の挨拶行為を謙譲語で表現した言葉です。
「(あなたに対する)ご挨拶」という意味で、相手への敬意を示しながら自分の行為をへりくだって表現します。
敬語の種類:謙譲語
謙譲語としての「ご挨拶」
- 自分の「挨拶」をへりくだって謙遜して述べる表現
- 「ご挨拶申し上げます」「ご挨拶いたします」として使用
- 相手への敬意を示す正しい敬語表現
使用場面
✅ 適切な使用場面
- 会議での社長紹介:「社長の○○よりご挨拶申し上げます」
- メールでの初回挨拶:「まずはご挨拶を兼ねてご連絡いたします」
- 式次第での表記:「開会のご挨拶」
- 挨拶状のタイトル:「転勤のご挨拶」
ビジネス例文
メールでの使用例
件名:【ご挨拶】新任の○○です
○○様
この度、営業部に配属となりました○○と申します。
まずはご挨拶を兼ねてご連絡させていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
会議での使用例
司会:「それでは開始に先立ちまして、弊社社長の田中よりご挨拶申し上げます」
「お知らせ」の正しい意味と使い方
基本的な意味
「お知らせ」は既に決定した事実や情報を一方通行で相手に伝える際に使用する謙譲語です。
相手の行動を求めるものではなく、純粋に情報を提供することが目的です。
使用場面
✅ 適切な使用場面
- 決定事項の通知:「価格改定のお知らせ」
- 変更の報告:「営業時間変更のお知らせ」
- システム障害の報告:「システム障害に関するお知らせ」
- 人事異動の通知:「人事異動のお知らせ」
❌ 不適切な使用場面
- イベントへの参加呼びかけ(→「ご案内」が適切)
- サービスの紹介・勧誘(→「ご案内」が適切)
- 申込みの促進(→「ご案内」が適切)
ビジネス例文
価格改定の例
件名:価格改定のお知らせ
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
誠に恐縮ではございますが、原材料価格の高騰により、
2025年6月1日より下記の通り価格を改定させていただきます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
システムメンテナンスの例
件名:システムメンテナンスのお知らせ
システムメンテナンスのため、下記の日時にサービスを
ご利用いただけません。
日時:2025年5月20日(火)午前2時~午前5時
ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほど
よろしくお願いいたします。
「ご案内」の正しい意味と使い方
基本的な意味
「ご案内」は相手に何らかの行動(参加・利用・申込み等)を促す際に使用する謙譲語です。
情報提供だけでなく、相手の積極的な参加や反応を期待する表現です。
使用場面
✅ 適切な使用場面
- イベントへの招待:「セミナー開催のご案内」
- 新サービスの紹介:「新商品発売のご案内」
- 申込みの促進:「年末調整書類提出のご案内」
- 場所への誘導:「会場へのご案内」
ビジネス例文
セミナー案内の例
件名:マーケティングセミナー開催のご案内
平素よりお世話になっております。
下記の通りセミナーを開催いたしますので、
ぜひご参加くださいますようご案内申し上げます。
【セミナー詳細】
日時:2025年6月15日(日)14:00~16:00
場所:○○ホール
参加費:無料
お申込みは添付の申込書にてお願いいたします。
新商品紹介の例
件名:新商品発売のご案内
この度、新商品○○を発売する運びとなりましたので、
ご案内申し上げます。
つきましては、デモンストレーションの機会を
設けさせていただければと存じます。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
実践的な使い分けガイド
内容別の使い分け表
内容 | 適切な表現 | 理由 |
---|---|---|
挨拶・自己紹介 | ご挨拶 | 謙譲語として自分の行為をへりくだる |
価格変更・時間変更 | お知らせ | 決定事項の一方的な通知 |
システム障害報告 | お知らせ | 事実の報告、行動は求めない |
セミナー開催 | ご案内 | 参加という行動を促す |
新商品紹介 | ご案内 | 利用・購入という行動を促す |
会議での紹介 | ご挨拶 | 人の紹介・挨拶の場面 |
社内外での使い分け
社内向け
- 基本的に「お知らせ」を使用することが多い
- 例:「社内システムメンテナンスのお知らせ」「年末年始休業のお知らせ」
社外・顧客向け
- 内容によって「お知らせ」と「ご案内」を使い分ける
- 単純な事実通知 → 「お知らせ」
- 行動を促すもの → 「ご案内」
よくある間違いと正しい表現
❌ 間違い例 「新商品発表会へのご参加をお知らせいたします」
✅ 正しい例 「新商品発表会へのご参加をご案内いたします」
理由:参加を促すため「ご案内」が適切
場面別・相手別の例文集
新任の挨拶
社内向け
件名:【ご挨拶】営業部に配属となりました○○です
この度、営業部に配属となりました○○と申します。
皆様にご挨拶させていただきたく、メールいたしました。
精一杯努力してまいりますので、
ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
社外向け
件名:【ご挨拶】新任の○○です
この度、○○様の担当をさせていただくことになりました
株式会社△△の○○と申します。
まずはご挨拶を兼ねてご連絡申し上げました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
情報の通知
決定事項の通知(お知らせ)
件名:営業時間変更のお知らせ
平素よりご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、○月○日より営業時間を
下記の通り変更させていただきます。
【変更後営業時間】
平日:9:00~18:00(従来:9:00~19:00)
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほど
よろしくお願い申し上げます。
イベント・サービスの案内
参加を促す案内(ご案内)
件名:創立記念パーティーのご案内
日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、弊社創立○周年を記念いたしまして、
下記の通りパーティーを開催いたします。
ぜひご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。
【パーティー詳細】
日時:○月○日(○)18:00~20:00
場所:○○ホテル
会費:○,○○○円
返信用はがきにてお返事をお待ちしております。
敬語の基本ルール
謙譲語の特徴
- 自分の行為をへりくだる:相手への敬意を示すため
- 「お・ご~申し上げる/いたす」の形:基本的な謙譲語パターン
- 相手との関係で使い分け:社内外、上下関係を考慮
注意すべきポイント
二重敬語を避ける
- ❌「ご挨拶をお聞かせいただく」
- ✅「ご挨拶をお聞きする」「ご挨拶を拝聴する」
適切な場面での使用
- 内容の性質を正確に把握する
- 相手に求める行動を明確にする
- 敬語レベルを相手との関係に合わせる
まとめ:正しい使い分けでプロフェッショナルな印象を
ご挨拶・お知らせ・ご案内の使い分けの要点
- 目的の明確化: 挨拶なのか、通知なのか、案内なのかを判断
- 相手の行動: 行動を求めるかどうかで「お知らせ」と「ご案内」を使い分け
- 敬語の性質: すべて謙譲語だが、使用場面と相手への敬意レベルが異なる
正しい敬語の使い分けは、ビジネスパーソンとしての教養と配慮を示す重要な要素です。
これらの表現をマスターして、より印象的で効果的なビジネスコミュニケーションを実現しましょう。
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