「食べれる」と「食べられる」は、どっちが正しいのでしょうか。
結論からいうと、標準的な形は「食べられる」です。
たとえば、可能の意味なら、
この料理は辛くないので、子どもでも食べられます。
が標準的な言い方です。
一方、
この料理、私でも食べれる?
のような「食べれる」も、現在の日常会話では広く使われています。
「食べれる」は、いわゆるら抜き言葉です。
そのため、
会話では「食べれる」を使う人も多いものの、学校教育・公的な文章・改まった文章などでは「食べられる」を選ぶのが無難
と考えるとわかりやすいでしょう。
この記事では、「食べれる」と「食べられる」の違いだけでなく、「食べれます/食べられます」「食べれて/食べられて」「食べれた/食べられた」の使い分けまで詳しく解説します。
- 「食べれる」と「食べられる」はどっちが正しい?
- 「食べれる」と「食べられる」の違い
- 「食べれる」は間違い?
- 書き言葉では「食べれる」「食べられる」どっち?
- 「食べれます」と「食べられます」はどっち?
- 「食べれました」と「食べられました」はどっち?
- 「食べれて」と「食べられて」はどっち?
- 「食べれた」と「食べられた」はどっち?
- 「食べられる」には3つの意味がある
- ら抜き言葉とは?
- 「食べれる」が広く使われるのはなぜ?
- 「食べれる」は若者言葉?
- 「食べれる」は方言?
- 「見れる」と「見られる」は?
- 「出れる」と「出られる」はどっち?
- 「来れる」と「来られる」はどっち?
- ら抜きにならない「〜れる」もある
- 「食べられる」と「食べる」の違い
- 「食べられるか」と「食べれるか」は?
- 「食べられますか」と「食べれますか」は?
- ビジネスでは「食べれる」「食べられる」どっち?
- 「食べれる」を使わない方がいい場面
- よくある質問
- まとめ|書き言葉なら「食べられる」、会話では「食べれる」も広く使われる
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「食べれる」と「食べられる」はどっちが正しい?
標準的な日本語として使うなら、
食べられる
です。
「食べる」は一段動詞なので、可能を表す標準的な形は、
食べる
↓
食べられる
となります。
一方、
食べれる
は「食べられる」から「ら」が抜けた形で、一般にら抜き言葉と呼ばれます。
標準的な形
この量なら全部食べられる。
アレルギーがなければ食べられます。
ら抜きの形
この量なら全部食べれる。
これ、私でも食べれます。
後者も会話では珍しくありません。
そのため、現代日本語では単純に、
「食べれる=誰も使わない間違い」
と考えるのは実態に合いません。
「食べれる」と「食べられる」の違い
大きな違いは、標準的な形か、ら抜きの形かという点です。
| 表現 | 特徴 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 食べられる | 標準的な形 | 書き言葉・公的な場面・改まった会話 |
| 食べれる | ら抜きの形 | 日常会話・くだけたやり取り |
また、「食べられる」は可能だけでなく、文脈によって受身や尊敬を表すことがあります。
可能
私は納豆を食べられる。
=食べることができる。
受身
ケーキを弟に食べられた。
=弟がケーキを食べてしまった。
尊敬
先生はもう昼食を食べられました。
=先生が昼食を食べた。
一方、「食べれる」は基本的に可能の意味として使われます。
この点も、ら抜き言葉が広がった理由の一つとして考えられています。
国語審議会でも、「見れる」などを可能専用の形として使うことには体系上の合理性がある、という見方が紹介されています。(参考サイト:文化庁)
「食べれる」は間違い?
一言で「完全な間違い」と処理するより、
標準的な形ではないが、現代の話し言葉では広く使われている
と理解する方が実態に合っています。
文化庁の国語施策資料では、「食べれる」「見れる」「来れる」などのら抜き言葉が話し言葉で広がってきたことが説明されています。(参考サイト:文化庁)
また、2021年の「日本語のゆれに関する調査」を扱ったNHK放送文化研究所の研究では、「食べれない」などを自分でも使う人が相当数いることが報告されています。(参考サイト:BibDB)
したがって、
「食べれる」を言ったら日本語として完全におかしい
とまで考える必要はありません。
ただし、改まった場面では「食べられる」を選ぶ方が安全です。
書き言葉では「食べれる」「食べられる」どっち?
書き言葉では、
食べられる
をおすすめします。
特に、
学校の作文
レポート
論文
公的文書
ビジネス文書
顧客向けの案内
などでは「食べられる」を選ぶ方が無難です。
書き言葉
本商品は加熱せずに食べられます。
日常会話
これ、そのまま食べれるよ。
会話で「食べれる」と言う人でも、文章では「食べられる」に直すケースは珍しくありません。
「食べれます」と「食べられます」はどっち?
標準的なのは、
食べられます
です。
標準的
この料理は辛いものが苦手な方でも食べられます。
会話で使われる形
この料理なら子どもでも食べれます。
日常会話なら後者も耳にしますが、案内文や説明文などでは「食べられます」を選ぶとよいでしょう。
「食べれました」と「食べられました」はどっち?
可能の意味なら、標準的なのは、
食べられました
です。
昨日は体調も戻り、夕食を食べられました。
「食べれました」も会話では使われます。
昨日はなんとか全部食べれました。
親しい相手との会話であれば不自然とまではいえませんが、文章では「食べられました」が無難です。
「食べれて」と「食べられて」はどっち?
ここは意味に注意が必要です。
可能の意味
久しぶりに好物が食べられてうれしい。
標準的には「食べられて」です。
会話では、
久しぶりに好物が食べれてうれしい。
も使われます。
受身の意味
楽しみにしていたプリンを弟に食べられてしまった。
この「食べられて」は受身なので、「食べれて」にすると意味が変わってしまいます。
つまり、
「食べれて」は主に可能のら抜き表現であり、「食べられて」のすべてを置き換えられるわけではありません。
「食べれた」と「食べられた」はどっち?
可能を表す標準的な形は、
食べられた
です。
可能
苦手だった野菜を今日は食べられた。
会話では、
苦手だった野菜、今日は食べれた。
とも言います。
一方、
私のケーキを妹に食べられた。
の「食べられた」は受身です。
この場合、
妹に食べれた
とは言えません。
「食べられる」には3つの意味がある
「食べられる」が少しややこしいのは、複数の意味を持つためです。
1.可能
私は生魚を食べられる。
=食べることができる。
2.受身
お菓子を弟に食べられた。
=弟がお菓子を食べたことで、自分が影響を受けた。
3.尊敬
部長はもう昼食を食べられました。
=部長が食べた。
文脈によって意味が変わります。
対して「食べれる」は、
私は生魚を食べれる。
のように、基本的に可能として理解されやすい形です。
ら抜き言葉とは?
「ら抜き言葉」とは、
食べられる → 食べれる
見られる → 見れる
来られる → 来れる
起きられる → 起きれる
のように、標準的な「〜られる」から「ら」が抜けた形を指します。
文化庁の資料によると、こうした言い方は話し言葉では昭和初期から見られ、戦後さらに増加してきました。(参考サイト:文化庁)
そのため、「最近の若者だけが作った言葉」とするのは正確ではありません。
「食べれる」が広く使われるのはなぜ?
いくつかの理由が考えられます。
可能の意味がわかりやすい
「食べられる」には、
可能
受身
尊敬
があります。
一方、
食べれる
なら、多くの場合「食べることができる」という意味になります。
五段動詞の可能形とのそろい
五段動詞では、
書く → 書ける
読む → 読める
話す → 話せる
となります。
そのため、
食べる → 食べれる
のような形が、可能表現として体系的に感じられるという考え方もあります。
文化庁の資料でも、この点が「ら抜き言葉」の合理性を説明する見方として示されています。(参考サイト:文化庁)
「食べれる」は若者言葉?
若者だけの表現ではありません。
若い年代ほど使用率が高い傾向が見られる調査はありますが、現在では幅広い年代で使われています。
NHK放送文化研究所による2021年の調査では、「食べれない」「見れない」「来れない」などについて、自分でも使うと答える人が幅広く存在しています。(参考サイト:J-STAGE)
したがって、
食べれる=若者言葉
と単純に分類するのは避けた方がよいでしょう。
「食べれる」は方言?
地域によって使用状況に差はありますが、
「食べれる」を特定の一地域だけの方言と考えるのは適切ではありません。
現在では全国的に見られるら抜き表現です。
ただし、日本語の言い方には地域差があり、ら抜き言葉の受け止め方や使用頻度にも地域差があることが調査されています。(参考サイト:J-STAGE)
そのため、
関西では必ず食べれる
関東では使わない
のように単純化しない方がよいでしょう。
「見れる」と「見られる」は?
「食べれる」と同じ考え方です。
標準的な可能表現は、
見られる
です。
標準的
この席からステージがよく見られる。
ただし、この例では「見ることができる」という意味なら、
この席からステージがよく見える。
の方が自然な場合もあります。
会話では、
この席からステージ見れる?
のように「見れる」も広く使われます。
「出れる」と「出られる」はどっち?
標準的には、
出られる
です。
「出る」は一段動詞なので、
出る → 出られる
となります。
標準的
明日の会議には出られますか。
会話
明日の会議、出れますか。
「出れますか」も会話では使われますが、改まったメールなら、
明日の会議にはご出席いただけますか。
など、別の言い方にすることもできます。
「来れる」と「来られる」はどっち?
標準的には、
来られる
です。
標準的
明日の会議に来られますか。
ただし、この表現は尊敬にも読めるため、ビジネスでは、
明日の会議にお越しいただけますか。
などとする場合もあります。
会話では、
明日来れる?
が非常によく使われます。
ら抜きにならない「〜れる」もある
「れる」が付いているからといって、すべてがら抜き言葉ではありません。
たとえば、
帰る → 帰れる
書く → 書ける
読む → 読める
話す → 話せる
は、五段動詞の正規の可能形です。
つまり、
帰れる
を「帰られるのら抜き」と考えるのは誤りです。
国立国語研究所関連の解説でも、「帰れる」「しゃべれる」「眠れる」はら抜きではなく、「着れる」のような一段動詞の形がら抜きに当たることが説明されています。(参考サイト:幻冬舎plus)
「食べられる」と「食べる」の違い
「食べる」は単に動作を表します。
私はパンを食べる。
一方、「食べられる」は可能なら、
私はパンを食べられる。
=パンを食べることができる。
という意味です。
また、受身なら、
パンを鳥に食べられた。
のように意味が変わります。
「食べられるか」と「食べれるか」は?
標準的には、
食べられるか
です。
改まった場面
この食品は加熱せずに食べられるのでしょうか。
会話
これ、生でも食べれる?
どちらも実際には使われますが、文章では「食べられるか」を選ぶのが安全です。
「食べられますか」と「食べれますか」は?
相手に可能か尋ねる場合も同様です。
標準的
辛い料理は食べられますか。
くだけた会話
辛いもの食べれますか。
「食べれますか」は敬語として間違っているというより、可能形の部分がら抜きになっていると考えるとわかりやすいでしょう。
「ます」が付いているので丁寧語ではあります。
ビジネスでは「食べれる」「食べられる」どっち?
ビジネス文書では、
食べられる
を基本にするとよいでしょう。
商品説明
開封後、そのまま食べられます。
飲食店
アレルギーをお持ちの方でも食べられるメニューをご用意しています。
社内の会話
このお店、辛いものが苦手でも食べれますか?
のような会話なら「食べれる」が出ても不自然とは限りません。
つまり、相手との関係性というより、
文章として残るか、改まった場面か
を一つの判断基準にするとよいでしょう。
「食べれる」を使わない方がいい場面
特に次のような文章では「食べられる」をおすすめします。
学校の答案・作文
論文・レポート
新聞・出版物
行政・公的文書
企業の公式サイト
商品パッケージ
顧客向け案内
一方、家族や友人との会話なら、
これ食べれる?
と話しても、コミュニケーション上大きな問題になることは通常ありません。
よくある質問
Q1.「食べれる」と「食べられる」はどっちが正しい?
標準的な形は「食べられる」です。
「食べれる」はら抜き言葉ですが、現在の日常会話では広く使われています。
Q2.「食べれる」は日本語として間違い?
標準的な形ではありません。
ただし、現代の話し言葉で広く使用されているため、「誰も使わない単純な誤り」と考えるのも適切ではありません。
Q3.「食べれます」と「食べられます」はどっち?
改まった場面や書き言葉では「食べられます」が無難です。
Q4.「食べれて」と「食べられて」はどっち?
可能の標準形は「食べられて」です。
ただし、「弟にケーキを食べられてしまった」のような受身では「食べれて」には置き換えられません。
Q5.「食べれた」と「食べられた」はどっち?
可能の標準形は「食べられた」です。
会話では「食べれた」も使われます。
Q6.「食べれる」は方言?
特定の地域だけの方言とはいえません。
現在は全国的に見られるら抜き表現ですが、使用率には地域差があります。
Q7.「食べれる」は若者言葉?
若い年代に多い傾向はありますが、若者だけが使う表現ではありません。
Q8.「食べれる」は書き言葉で使える?
くだけた文章では見かけますが、公的・改まった文章では「食べられる」を選ぶ方が無難です。
Q9.「食べられる」には可能以外の意味もある?
あります。
可能・受身・尊敬などを表します。
Q10.「見れる」「来れる」「出れる」も同じ?
「見れる」「来れる」「出れる」は、標準形ではそれぞれ「見られる」「来られる」「出られる」です。
一方、「帰れる」「読める」のような五段動詞の可能形は、ら抜き言葉ではありません。
まとめ|書き言葉なら「食べられる」、会話では「食べれる」も広く使われる
「食べれる」と「食べられる」で迷った場合、標準的な形は、
食べられる
です。
「食べれる」は、
食べられる → 食べれる
と「ら」が抜けたいわゆるら抜き言葉です。
ただし、現代の日本語では日常会話を中心に広く使われています。
したがって、
「食べれる=絶対に間違い」
と断定するより、
標準的な文章では「食べられる」、くだけた会話では「食べれる」も使われる
と理解するのが実用的です。
迷ったとき、とくに文章として残る場面では、
食べられる
食べられます
食べられた
食べられて
を選んでおけば安心です。
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