英語の「do」と「doing」は、どちらも日本語では「する」と訳されることが多いため、日本人英語学習者にとって混乱しやすい表現です。
この記事では、「do」と「doing」の本質的な違いを日本語の「する」との対応関係から詳しく解説します。
品詞の違いから実践的な使い分けまで、例文を交えてわかりやすく説明していきます。
この記事でわかること
- ✓ 「do」と「doing」の基本的な違いと品詞の特徴
- ✓ 日本語の「する」と英語表現の対応関係
- ✓ 日本人がよく間違える「do」と「doing」の使い方
- ✓ シーン別の正しい使い分けと実践例文30選
- ✓ 関連表現(make, conduct など)との比較
「do」と「doing」の基本的な違い
「do」と「doing」は同じ動詞の異なる形態ですが、文中での役割や使われ方に大きな違いがあります。
品詞と基本的な意味
英語表現 | 品詞 | 基本的な意味 | 日本語の対応表現 |
---|---|---|---|
do | 動詞の原形 | 行う、する、実行する | する、行う |
doing | 動名詞/現在分詞 | していること、行うこと | している、すること |
「do」は動詞の原形で、「〜をする」という動作や行為そのものを表します。
一方、「doing」は動名詞または現在分詞として使われ、「〜をすること」や「〜をしている」という動作の進行や状態を表します。
文法的な役割の違い
「do」の文法的役割:
- 一般動詞として主要な行為を表す
- 助動詞として疑問文や否定文を作る
- 代動詞として前に出てきた動詞の繰り返しを避ける
「doing」の文法的役割:
- 動名詞として名詞的に使われる(主語や目的語になる)
- 現在分詞として進行形を作る
- 形容詞的に名詞を修飾する
日英語における「する」の概念の違い
日本語の「する」と英語の「do/doing」の間には、概念的な違いがあります。
この違いを理解することで、より自然な英語表現が可能になります。
日本語の「する」の特徴
日本語の「する」は非常に汎用性が高く、様々な名詞に接続して動詞化できる特徴があります。
例えば:
- 勉強する
- 料理する
- 電話する
- 運動する
- 準備する
これらはすべて「〜をする」という形で、名詞を動詞化しています。
英語の「do」の使い方
英語の「do」は日本語の「する」ほど汎用的ではなく、特定の名詞との組み合わせに限られます。
「do」と相性の良い名詞:
- do homework(宿題をする)
- do research(研究をする)
- do exercise(運動をする)
- do the dishes(皿洗いをする)
- do business(商売をする)
「do」ではなく別の動詞を使う表現:
- ~~do cooking~~ → cook(料理する)
- ~~do study~~ → study(勉強する)
- ~~do a phone call~~ → make a call(電話する)
- ~~do preparation~~ → prepare(準備する)
「do」と「doing」の使い分けポイント
「do」と「doing」を適切に使い分けるためには、文中での役割を理解することが重要です。
以下に主要な使い分けポイントを説明します。
時制による使い分け
「do」を使うケース:
- 現在形:I do my homework every day.(私は毎日宿題をします)
- 命令形:Do your best!(最善を尽くせ!)
- 疑問文:Do you exercise regularly?(定期的に運動しますか?)
- 否定文:I do not agree with you.(あなたに同意しません)
「doing」を使うケース:
- 現在進行形:I am doing my homework now.(今宿題をしています)
- 未来進行形:I will be doing research next week.(来週研究をしています)
- 過去進行形:I was doing the dishes when you called.(あなたが電話したとき、私は皿洗いをしていました)
文中での役割による使い分け
「doing」が動名詞として使われるケース:
- 主語として:Doing exercise regularly is important.(定期的に運動することは重要です)
- 目的語として:I enjoy doing housework.(私は家事をするのが好きです)
- 前置詞の目的語として:Thank you for doing this.(これをしてくれてありがとう)
「do」が一般動詞として使われるケース:
- I do my best every day.(私は毎日最善を尽くします)
- They do a lot of work.(彼らはたくさんの仕事をします)
- What do you do for a living?(あなたは生計を立てるために何をしていますか?)
日本人がよく間違える「do」と「doing」の使い方
日本語の「する」から直訳して英語にすると、しばしば誤用が生じます。
以下に典型的な間違いとその修正例を紹介します。
よくある間違い①:進行形の誤用
🚫 誤: I do homework now.
✅ 正: I am doing homework now.
(今宿題をしています)
理由:現在進行中の動作を表す場合は、現在進行形(be動詞+doing)を使います。
よくある間違い②:動名詞の位置の誤用
🚫 誤: I finished to do my report.
✅ 正: I finished doing my report.
(レポートを終えました)
理由:finish, enjoy, avoid などの動詞の後には動名詞(doing)を使います。
よくある間違い③:「〜することができる」の表現
🚫 誤: I can doing this task.
✅ 正: I can do this task.
(このタスクをすることができます)
理由:助動詞(can, will, should など)の後には動詞の原形(do)を使います。
よくある間違い④:前置詞の後の形
🚫 誤: I am interested in do sports.
✅ 正: I am interested in doing sports.
(スポーツをすることに興味があります)
理由:前置詞(in, at, by, for など)の後には名詞または動名詞(doing)を使います。
「do」と「doing」の実践的な例文集
実際の場面でどのように「do」と「doing」が使われるのか、具体的な例文を通して学びましょう。
日常会話での例文
「do」を使う例:
- 🇯🇵:あなたは週末に何をしますか?
🇺🇸:What do you do on weekends? - 🇯🇵:彼は何もしません。
🇺🇸:He doesn’t do anything. - 🇯🇵:私は自分にできることをします。
🇺🇸:I do what I can.
「doing」を使う例:
- 🇯🇵:何をしているの?
🇺🇸:What are you doing? - 🇯🇵:私は料理をしている最中です。
🇺🇸:I am in the middle of doing the cooking. - 🇯🇵:彼はいつも何かをしています。
🇺🇸:He is always doing something.
ビジネスシーンでの例文
「do」を使う例:
- 🇯🇵:私たちは毎週月曜日にミーティングを行います。
🇺🇸:We do a meeting every Monday. - 🇯🇵:彼らは素晴らしい仕事をします。
🇺🇸:They do excellent work. - 🇯🇵:このプロジェクトで何をするべきですか?
🇺🇸:What should we do in this project?
「doing」を使う例:
- 🇯🇵:彼らは現在市場調査を行っています。
🇺🇸:They are doing market research now. - 🇯🇵:私はレポートを作成することに責任があります。
🇺🇸:I am responsible for doing the report. - 🇯🇵:彼は会議中にメモを取っていました。
🇺🇸:He was doing notes during the meeting.
アカデミックな場面での例文
「do」を使う例:
- 🇯🇵:彼らは環境問題に関する研究を行います。
🇺🇸:They do research on environmental issues. - 🇯🇵:どのようにしてデータ分析を行いますか?
🇺🇸:How do you do data analysis?
「doing」を使う例:
- 🇯🇵:研究を行うことは時間がかかります。
🇺🇸:Doing research takes time. - 🇯🇵:彼は実験を行うことに集中しています。
🇺🇸:He is focusing on doing experiments.
「do」と類義表現の違いと使い分け
英語では「do」以外にも「する」に相当する動詞があります。
状況に応じて適切な動詞を選ぶことが、自然な英語表現のポイントです。
「do」と「make」の違い
動詞 | 基本的な意味 | 例文 |
---|---|---|
do | 行為・活動を行う | do homework, do the dishes, do business |
make | 作る、生み出す | make dinner, make a plan, make a decision |
使い分けのポイント:
- 「do」は一般的な行為や活動
- 「make」は何かを作り出す、形にする
「do」と「conduct」の違い
動詞 | 基本的な意味 | 例文 |
---|---|---|
do | 一般的な行為を行う | do research, do a test |
conduct | 指揮・主導して行う(より公式) | conduct research, conduct an interview |
使い分けのポイント:
- 「do」はカジュアルな場面や一般的な表現
- 「conduct」はより公式・専門的な場面
「do」と「perform」の違い
動詞 | 基本的な意味 | 例文 |
---|---|---|
do | 一般的な行為を行う | do a task, do work |
perform | 実行する、演じる(より技術的) | perform a task, perform a dance |
使い分けのポイント:
- 「do」は日常的な行為
- 「perform」は熟練や技術を要する行為
まとめ:「do」と「doing」の違いを日本語と比較して理解する
「do」と「doing」の違いは、日本語と英語の発想の違いに根ざしています。
まとめると
覚えておきたいポイント
- 「do」は動詞の原形で、行為そのものを表す
- 「doing」は動名詞/現在分詞で、行為の進行や状態を表す
- 日本語の「する」は多用されるが、英語では状況に応じて適切な動詞を選ぶ
- 時制や文の構造によって「do」と「doing」の使い分けが決まる
- 前置詞の後には「doing」を使う
- 助動詞の後には「do」を使う
日本語と英語の表現法の違いを意識しながら、適切な場面で「do」と「doing」を使い分けることで、より自然な英語表現が可能になります。
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よくある質問
Q1: 「I do study English」と「I study English」の違いは何ですか?
「I study English」が一般的な表現です。
「I do study English」は強調形で、「私は本当に/確かに英語を勉強しています」というニュアンスになります。
日常会話では「I study English」が自然です。
Q2: 「What are you doing?」と「What do you do?」の違いは何ですか?
「What are you doing?」は「今何をしていますか?」という現在の行動を尋ねる質問です。
一方、「What do you do?」は「何をしていますか?(職業は何ですか?)」という職業や習慣的な行動を尋ねる質問です。
Q3: 「I don’t like doing homework」と「I don’t like to do homework」はどちらが正しいですか?
どちらも文法的に正しいですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
「I don’t like doing homework」は宿題をすること一般について嫌いという意味で、より一般的です。
「I don’t like to do homework」は特定の状況での行為を嫌うというニュアンスがあります。
Q4: 「doing」が名詞として使われる例を教えてください。
「doing」が名詞として使われる例
- His doings are suspicious.(彼の行動は怪しい)
- It was all your doing.(それはすべてあなたのしたことだ)
ただし、この用法は「doing」が複数形または所有格と共に使われる特殊な例で、一般的には「deed」や「act」などの単語が使われます。
Q5: 日本語の「〜している」は英語ではどう表現すればいいですか?
日本語の「〜している」は、状況によって異なる英語表現になります。
- 現在進行中の動作:be + doing(I am doing homework.)
- 習慣的な動作:動詞の現在形(I do homework every day.)
- 状態を表す場合:状態動詞の現在形(I know him.)
- 完了した動作の結果が続いている場合:現在完了形(I have done my homework.)
日本語の「している」が何を意味するかを考え、適切な英語表現を選びましょう。