「have」「having」の違いと使い分け【「持つ」「ある」との対比で理解】

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英語の「have」と「having」は、日本語では「持つ」「ある」「している」など様々に訳されるため、多くの日本人学習者が混乱します。

この2つの表現は品詞が異なり、使われる文脈や意味合いにも違いがあります。

本記事では、日本語との対比を通じて「have」と「having」の違いを明確にし、正しい使い分け方を解説します。

この記事でわかること

  • 「have」と「having」の正確な違い
  • 日本語の「持つ」「ある」との対応関係
  • 日本人がよく間違える使い方のポイント
  • 実践的な例文30選
  • 関連表現との使い分け
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「have」と「having」の基本的な違い

「have」と「having」の最も根本的な違いは品詞にあります。

「have」は動詞であるのに対し、「having」は「have」の動名詞または現在分詞形です。

日本語では、どちらも「持つ」「ある」「している」などと訳されることが多いため、違いが見えにくくなっています。

英語表現品詞日本語の対応表現例文
have動詞持つ、ある、するI have a car. (私は車を持っている)
have助動詞〜してもらう、させるI’ll have him call you. (彼にあなたに電話させます)
having動名詞持つこと、あることHaving a car is convenient. (車を持つことは便利だ)
having現在分詞持ちながら、あるのでHaving finished my work, I went home. (仕事を終えたので、家に帰った)

「have」は基本的に「所有する」「存在する」という意味の他に、「経験する」「食べる・飲む」「する」など多様な意味を持ちます。

一方、「having」は「持つこと」という行為自体を名詞的に扱ったり(動名詞)、「持っている状態で」という付帯状況を表したり(現在分詞)します。

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日英語における「持つ」「ある」の概念の違い

日本語と英語では「持つ」「ある」の概念に大きな違いがあります。

この違いが「have」と「having」の使い分けを難しくしている要因の一つです。

所有の表現方法の違い

日本語では「〜がある」「〜を持っている」という表現が使われますが、英語では「have」を使って「I have」(私は持っている)というように、所有者が主語になります。

【日本語】私には車がある。(存在を表す「ある」)
【英語】I have a car.(所有を表す「have」)

状態と動作の区別

日本語では「持っている」という表現は状態を表しますが、英語の「have」は状態と動作の両方を表せます。

一方、「having」は動名詞として使うと「持つという行為」を表します。

時制の考え方

日本語では「持っている」は現在の状態を表しますが、英語では「have」に時制が加わることで、過去や未来の所有も表現します。

「having」は時制を持たず、文脈によって意味が決まります。

【日本語】私は車を持っていた。
【英語】I had a car.

【日本語】車を持つことは大切だ。
【英語】Having a car is important.
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「have」と「having」の使い分けポイント

「have」と「having」の使い分けを場面別に解説します。

それぞれの表現が適切な状況を理解することで、自然な英語表現ができるようになります。

日常会話での使い分け

日常会話では、「have」は所有や状態、習慣的な行為を表す際に使います。

一方、「having」は動名詞として主語や目的語になる場合や、現在分詞として付帯状況を表す場合に使います。

「Have you had lunch yet?」(もう昼食は食べましたか?)
「I enjoy having dinner with my family.」(家族と夕食を食べるのが好きです)

ビジネス文書での使い分け

ビジネス文書では、「have」は義務や予定を表現する際によく使われます。

「having」は問題や利点を言及する際の主語として使われることが多いです。

「We have to submit the report by Friday.」(金曜日までにレポートを提出しなければなりません)
「Having a diverse team improves creativity.」(多様なチームを持つことは創造性を高めます)

アカデミックな文脈での使い分け

学術的な文脈では、「have」は所有や関係性を表す際に使われます。

「having」は前提条件や結果を説明する際によく使われます。

「These compounds have unique properties.」(これらの化合物は独特の特性を持っています)
「Having examined all the evidence, we can conclude that...」(すべての証拠を検討した結果、私たちは〜と結論づけることができます)
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日本語母語話者がよく間違える「have」と「having」の使い方

日本人英語学習者がよく間違える「have」と「having」の使い方を紹介します。

日本語の干渉による典型的な誤用例とその修正方法を学びましょう。

動名詞の位置での誤用

🚫 I enjoy to have a coffee in the morning.(朝にコーヒーを飲むのが好きです)

✅ I enjoy having a coffee in the morning.

「enjoy」の後には動名詞が来るため、「having」を使用します。

日本語では「コーヒーを飲むのを楽しむ」と訳されますが、英語では動詞の原形ではなく動名詞を使います。

現在進行形との混同

🚫 I having a meeting now.(今ミーティング中です)

✅ I am having a meeting now.

現在進行形は「be動詞 + 動詞のing形」で構成されるため、「am having」が正しい形になります。

「having」単独では使用しません。

接続詞の後の表現

🚫 After having dinner, I having a walk.(夕食後、散歩します)

✅ After having dinner, I have a walk.

「After having dinner」は正しい表現ですが、主節では「I have」または「I go for」などの表現を使います。

所有と存在の混同

🚫 My room having three windows.(私の部屋には3つの窓があります)

✅ My room has three windows.

日本語の「ある」に引きずられて「having」を使ってしまいがちですが、これは文法的に不完全な文になります。存在を表す場合は「have/has」を使います。

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「have」と「having」の実践的な例文集

様々な場面での「have」と「having」の使用例を見ていきましょう。

日本語と英語の対応関係を理解することで、正しい使い分けができるようになります。

日常会話での例文

  • 🇯🇵:あなたは何か趣味を持っていますか? /🇺🇸:Do you have any hobbies?
  • 🇯🇵:彼女と食事することを楽しみにしている。/ 🇺🇸:I’m looking forward to having dinner with her.
  • 🇯🇵:子供を持つことは人生を変える経験だ。/ 🇺🇸:Having children is a life-changing experience.
  • 🇯🇵:良い一日を過ごしてください。/ 🇺🇸:Have a nice day.
  • 🇯🇵:私は風邪を引いています。/ 🇺🇸:I have a cold.

ビジネスメールでの例文

  • 🇯🇵:会議は10時に予定されています。/ 🇺🇸:We have a meeting scheduled at 10 o’clock.
  • 🇯🇵:すべての書類を揃えたので、申請を進めます。/ 🇺🇸:Having collected all the documents, we will proceed with the application.
  • 🇯🇵:このプロジェクトには多くの利点があります。/ 🇺🇸:This project has many advantages.
  • 🇯🇵:明日までに報告書を完成させてください。/ 🇺🇸:Please have the report completed by tomorrow.
  • 🇯🇵:私たちの会社はこの問題に対処する経験があります。/ 🇺🇸:Our company has experience in dealing with this issue.

学術的文脈での例文

  • 🇯🇵:この研究は重要な意義を持っています。/ 🇺🇸:This research has significant importance.
  • 🇯🇵:十分なデータを収集した後、分析を始めました。/ 🇺🇸:Having collected sufficient data, we began the analysis.
  • 🇯🇵:彼の理論は科学界に大きな影響を与えた。/ 🇺🇸:His theory had a major impact on the scientific community.
  • 🇯🇵:複数の変数を考慮することで、より正確な結果が得られます。/ 🇺🇸:Having multiple variables in consideration gives more accurate results.
  • 🇯🇵:この実験には3つの段階があります。/ 🇺🇸:This experiment has three stages.
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「have」「hold」「possess」「own」の違いと使い分け

「have」に関連する類義語との違いを理解することで、より正確な英語表現ができるようになります。

英語表現主な意味ニュアンス日本語訳
have所有する、ある一般的な所有・状態持つ、ある
hold手に持つ、保持する物理的に持つ、一時的に保持握る、保持する
possess所有する、保持する法的・正式な所有、特性を持つ所有する
own所有する法的に所有権を持つ所有する

使い分けの例

「I have a car.」(私は車を持っている - 一般的な所有)
「I'm holding your book for now.」(今はあなたの本を預かっています - 一時的)
「He possesses rare talent.」(彼はまれな才能を持っている - 特性)
「They own the building.」(彼らはその建物を所有している - 法的所有)

「have」は最も汎用的で、所有、状態、経験、行為など幅広い意味で使えます。

一方、他の単語はより限定的な文脈で使われることが多いです。

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「have」と「having」の発音・イントネーションのポイント

「have」と「having」の発音の違いを理解することで、聞き取りや発話の精度が向上します。

「have」の発音

  • 英語発音記号:/hæv/
  • カタカナ表記:「ハァブ」(「ハブ」よりも「ア」の音が入る)
  • 弱形では /həv/ または /əv/ と発音されることも

「having」の発音

  • 英語発音記号:/ˈhævɪŋ/
  • カタカナ表記:「ハァビング」
  • アクセントは最初の音節「ハァ」に置かれる

発音のコツ

  • 「have」の「h」は日本語の「ハ」よりも息を強く出す
  • 「v」の音は下唇と上の歯で作る(日本語にない音)
  • 「ing」の「ng」は鼻にかけて発音する(「グ」ではなく「ング」)
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まとめ:「have」と「having」の違いを日本語と比較して理解する

「have」と「having」の違いと使い分けについてまとめます。

覚えておきたいポイント

  • 「have」は動詞で、所有、存在、経験、行為を表す
  • 「having」は「have」の動名詞または現在分詞形
  • 動名詞の「having」は「持つこと」「あること」という行為自体を表す
  • 現在分詞の「having」は「持ちながら」「〜なので」という付帯状況を表す
  • 日本語の「持つ」「ある」は「have」に対応するが、文脈によって使い分けが必要
  • 「enjoy」「finish」などの後には「having」を使う
  • 現在進行形では「am/is/are having」の形になる

日本語と英語の「持つ」「ある」の概念の違いを理解することで、「have」と「having」の正しい使い分けができるようになります。

実際の会話や文章の中で意識して使い分けることで、自然な英語表現が身につくでしょう。

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よくある質問(FAQ)

Q1:「I have to go」と「I am having to go」の違いは何ですか?

「I have to go」は「行かなければならない」という義務や必要性を表す一般的な表現です。

一方、「I am having to go」は「(状況により)行かざるを得ない状態になっている」という、現在の特定の状況における義務を強調する表現です。

「am having to」の形は「have to」の進行形で、一時的または新たに生じた義務を表す際に使われます。

Q2:日本語の「〜を持っている」は常に英語の「have」になりますか?

いいえ、日本語の「〜を持っている」は文脈によって「have」以外の動詞が適切な場合があります。

例えば、物理的に手に持っている場合は「hold」、法的に所有している場合は「own」や「possess」が適切なことがあります。

また、「意見を持っている」は「have an opinion」だけでなく「hold an opinion」とも表現できます。

Q3:「having said that」はどういう意味ですか?

「having said that」は「とは言うものの」「それを踏まえた上で」という意味の慣用表現です。

先に述べたことに対して対照的な意見や例外を述べる時に使われます。

これは「having」を現在分詞として使った表現で、「that」は前に述べたことを指します。

例:「The movie was entertaining. Having said that, I wouldn’t watch it again.」

(その映画は面白かった。とは言え、もう一度見たいとは思わない)

Q4:「have got」と「have」の違いは何ですか?

「have got」と「have」は所有や状態を表す際にはほぼ同じ意味で使えますが、「have got」はより口語的です。

ただし、「have」が表す習慣や経験、行為(食事をするなど)を「have got」で置き換えることはできません。

また、「have got」は現在形でのみ使われ、過去形や進行形では使いません。

例:「I have got a car」と「I have a car」(私は車を持っている)は同じ意味ですが、「I have breakfast at 7」(私は7時に朝食を食べる)を「I have got breakfast at 7」とはしません。

Q5:「having a baby」と「having baby」の違いは何ですか?

「having a baby」は「赤ちゃんを産む/授かる」という意味で、具体的な出産や子どもを持つ行為を指します。

一方、「having baby」は文法的に不完全な表現です。

英語では可算名詞の前には冠詞(a/an/the)や限定詞が必要なため、「baby」の前には「a」や「the」などが必要です。

ただし、「She is having twins」(彼女は双子を産む予定だ)のように複数形では冠詞は不要です。

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