アイドルやアーティスト、キャラクターなどを応援する際に使われる「推し」「担当」「ペン」という言葉。
SNSやファンコミュニティでよく目にするこれらの用語ですが、微妙なニュアンスの違いや適切な使い分けに悩んだことはありませんか?
本記事では、現代のファン文化に欠かせないこれらの用語の違いや使い分け方を詳しく解説します。
初心者からコアなファンまで、この記事を読めば「推し」「担当」「ペン」の正しい使い方がマスターできます。
「推し」「担当」「ペン」の基本的な意味の違い

ファン用語として定着している「推し」「担当」「ペン」は、どれも「特に応援している対象」を指す言葉ですが、その成り立ちやニュアンスには明確な違いがあります。
「推し」の意味
「推し」とは「推しメン(推しメンバー)」の略語で、アイドルグループの中で特に応援しているメンバーを指します。
「推す」という動詞から派生した言葉で、「強く支持する」「前に押し出す」というニュアンスを含みます。
現在では、アイドルだけでなく、俳優、キャラクター、Vtuber、はたまた推し活動をする対象として「推し食べ物」や「推しカフェ」など、幅広いジャンルで使われるようになりました。
「担当」の意味
「担当」は主にアイドルファンの間で使われる言葉で、特に応援しているメンバーを「自分の担当」として表現します。
「〇〇担」と表現することも多く、例えば「私は日向坂46の齊藤京子担です」というような使われ方をします。
「担当」には「責任を持って応援する」というニュアンスがあり、「推し」よりもやや責任感や当事者意識が強い表現です。
「ペン」の意味
「ペン」は韓国語で「ファン」を意味する「팬(ペン)」に由来し、主にK-POPファンの間で使われる言葉です。
「〇〇ペン」という形で使用され、例えば「BTSのジミンペン」は「BTSのメンバーであるジミンのファン」という意味になります。
K-POP文化の世界的な広がりとともに、日本でも定着してきた表現です。
「推し」「担当」「ペン」の使い分けポイント

これらの用語は、使うシーンやコミュニティによって適切な使い分けがあります。
状況に応じた使い分けのポイントを見ていきましょう。
シーン別の適切な使い方
用語 | 一般的な会話 | ファンコミュニティ内 | SNS | 公式イベント |
---|---|---|---|---|
推し | ◎ 最も汎用的 | ○ 広く使われる | ◎ ハッシュタグなどで多用 | ○ 一般的 |
担当 | △ やや専門的 | ◎ 特に日本のアイドルファン向け | ○ 特定のファン層で使用 | ◎ 特にグループアイドルのイベントで |
ペン | × 一般では理解されにくい | ○ 主にK-POPファン向け | ○ K-POP関連のSNSで | ○ K-POPアーティストのイベントで |
ジャンル別の適切な使い方
- アイドル(日本): 「推し」「担当」が一般的。「〇〇推し」「〇〇担」の形で使用
- K-POP: 「ペン」が最も適切。「〇〇ペン」の形で使用。近年は「推し」も浸透
- アニメ・ゲームキャラクター: 主に「推し」が使われる。「担当」はソシャゲなどで使用することも
- 俳優・女優: 「推し」が一般的。「担当」「ペン」はあまり使用されない
- Vtuber: 主に「推し」が使われる。「担」という表現も一部で見られる
熱量による使い分け
- カジュアルファン: 「好きな〇〇」「〇〇が好き」などの一般的な表現
- 中程度のファン: 「推し」が最も使いやすい
- 熱心なファン: 「担当」「ペン」など、コミュニティ特有の表現が使われる傾向
- 超熱心なファン: 「〇〇担の〇〇です」「〇〇第一オタク」など、より専門的・個性的な表現
よくある間違い&誤用例

これらのファン用語は比較的新しいものであり、誤用や混同が見られることがあります。
代表的な間違いと正しい使い方を確認しましょう。
「推し」の誤用例
🚫 「彼は私の推しです」(アーティスト本人が言う場合)
✅ 「彼は私のファンです」
🚫 「この映画は推しです」(単なる好みを表現する場合)
✅ 「この映画が好きです」または「この映画をオススメします」
「担当」の誤用例
🚫 「私は〇〇さんの担当です」(ファンが言う場合)
✅ 「私は〇〇さんの担です」または「〇〇さんは私の担当です」
🚫 「この俳優は私の担当です」(非アイドルに使用)
✅ 「この俳優は私の推しです」
「ペン」の誤用例
🚫 「日本のアイドルのペンです」(K-POP以外に使用)
✅ 「日本のアイドルのファン/推し/担当です」
🚫 「私はペンです」(単独での使用)
✅ 「私は〇〇ペンです」(特定のアーティストやメンバー名を付ける)
文化的背景・歴史的背景

これらのファン用語は、それぞれ独自の文化的背景と発展過程を持っています。
その歴史を知ることで、より深く理解できるでしょう。
「推し」の歴史
「推し」という言葉は、2000年代初頭の日本のアイドルオタク文化から生まれました。
当初は「推しメン」として使われていましたが、次第に略されて「推し」として定着。
2010年代後半からSNSの普及により一般用語化し、2019年には「推し活」(推しを応援する活動)とともに流行語にもなりました。
現在では単なるファン用語を超えて、熱中する対象全般を指す言葉として幅広く使われています。
「担当」の成り立ち
「担当」は主に日本の女性アイドルファン文化から発展した言葉です。
複数のメンバーがいるグループで、特定の一人を「担当」として応援する文化から生まれました。
アイドルマスターなどのコンテンツでプロデューサーが「担当アイドル」を持つという設定も、この表現の普及に影響しています。
「ペン」の由来
「ペン」は韓国語の「팬(ペン)」に由来し、2000年代のK-POP第一次ブームから日本でも使われ始めました。
特に2010年代以降のK-POPのグローバル化に伴い、国際的なファン用語として定着。
K-POPファンダムでは「〇〇ペン」という形で、特定のグループやメンバーの専属ファンであることを表現します。
実践的な例文集

実際のコミュニケーションでどのように使われるのか、様々なシチュエーションでの例文を見てみましょう。
日常会話での使用例
- 「最近、乃木坂の遠藤さんが推しになりました」
- 「私はずっと松村沙友理担なんです」
- 「BTSのジョングクペンです、よろしくお願いします」
- 「推しの新曲、もう聴いた?めちゃくちゃ良かった!」
- 「担当のポスターを部屋に飾りました」
SNSでの使用例
- 「#私の推しを見てくれ」「#推し加工」「#推し活」
- 「担当の笑顔に癒される毎日です #○○担と繋がりたい」
- 「○○ペンさんと繋がりたいです!#○○ペンRT」
- 「推しの誕生日おめでとう!一年中推せる幸せをありがとう💕」
- 「担当担当で絆ができるのがアイドルの魅力だよね」
ファンイベントでの使用例
- 「今日は推しに会えて幸せでした」
- 「担当のサイン、ついに手に入れました!」
- 「○○ペンだけど、他のメンバーも応援してます」
- 「推しカラーのペンライト、買いましたか?」
- 「担当との握手会のために並んでいます」
ビジネスメールなどでの言い換え表現
- 「推し」→「特に支持しているアーティスト」「応援しているタレント」
- 「担当」→「特に応援しているメンバー」
- 「ペン」→「〇〇のファン」「〇〇のサポーター」
まとめ:ファン用語の使い分け
「推し」「担当」「ペン」はそれぞれ異なる文化的背景を持ちながらも、現代のファン文化を表す重要な用語として定着しています。
覚えておきたいポイント
- 「推し」:最も汎用性が高く、ジャンルを問わず使える現代的なファン表現
- 「担当」:日本のアイドル文化に根ざした、責任感を含む表現
- 「ペン」:K-POP文化から派生した国際的なファン表現
- シーンやコミュニティに合わせた使い分けが重要
- どの表現も「応援する気持ち」という本質は共通している
これらの言葉は時代とともに意味やニュアンスが変化することもあるため、コミュニティの文脈に合わせて柔軟に使い分けることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 複数の「推し」がいる場合はどう表現すればいいですか?
A: 「第一推し」「推し2」などと順位をつけたり、「〇〇推し」「△△推し」と複数並べたりします。
「担当」や「ペン」も同様に複数持つことができます。
Q2: 「推し」と「担当」はどちらがより強い気持ちを表しますか?
A: 一般的には「担当」の方が責任感や当事者意識が強いニュアンスを持ちますが、個人の使い方によりますので絶対的な強さの差はありません。
Q3: 「〇〇ペンカフェ」のような表現は正しいですか?
A: K-POPファン向けのカフェを指す用語として使われることがあります。
厳密には「〇〇ファン向けカフェ」ですが、ファンコミュニティでは通じる表現です。
Q4: 「推し変」とはどういう意味ですか?
A: 「推し変」とは「推しを変える」の略で、今まで応援していた人から別の人へ応援対象を変更することを指します。
ファンコミュニティでは時に大きな決断とされることもあります。
Q5: 英語圏では「推し」「担当」「ペン」をどう表現しますか?
A: 「推し」は “oshi” または “bias”、「担当」は特に訳さず「〇〇担」をそのまま使うか “my member”、「ペン」は “fan” や “[name]’s fan” と表現されることが多いです。