「齟齬」「相違」「不一致」は、いずれも「合っていない」「食い違っている」状態を表す言葉です。
しかし、文章では原因・深刻さ・使える場面が異なるため、入れ替えて使うと不自然になることがあります。
結論から言うと、
- 不一致:一致していない状態(事実・結果)
- 相違:基準や内容との違い(比較)
- 齟齬:認識や理解の食い違い(コミュニケーション)
という違いがあります。
この記事では、意味・使い分け・ビジネス文での判断基準を軸に整理します。
「齟齬」「相違」「不一致」の違い【結論】
まずは全体像です。
| 表現 | 中心 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 不一致 | 状態 | 合っていない事実 |
| 相違 | 比較 | 基準・内容との差 |
| 齟齬 | 認識 | 意思疎通のズレ |
👉 事実の不整合 → 不一致
👉 基準との違い → 相違
👉 理解・認識のズレ → 齟齬
「不一致」の意味と使い方
不一致の意味
「不一致」は、本来一致すべきものが一致していない状態を表します。
結果・事実・数値など、客観的な状態に使われます。
例文
- データに不一致がある
- 発言と行動が不一致
- 数値が不一致だった
✔ 状態を淡々と述べる
✔ 原因には踏み込まない
「相違」の意味と使い方
相違の意味
「相違」は、内容・基準・前提と比べて違いがあることを表します。
ビジネス文・公的文でよく使われます。
例文
- 契約内容と相違がある
- 認識に相違が生じた
- 記載内容と事実に相違はない
✔ 比較対象がある
✔ やや硬い表現
「齟齬」の意味と使い方
齟齬の意味
「齟齬」は、人と人との認識・理解・意思疎通の食い違いを表します。
原因が「伝達・解釈」にある点が特徴です。
例文
- 認識に齟齬がある
- 説明不足により齟齬が生じた
- 両者の間で齟齬が拡大した
✔ 人の理解が対象
✔ やや抽象的・フォーマル
3語を同じ場面で比べると
例:会議の結果が食い違っていた場合
- 記録と報告内容が不一致だった
(状態) - 説明内容と実際の進行に相違があった
(基準との差) - 事前説明と認識に齟齬があった
(理解のズレ)
👉 どこがズレているかで言葉が変わります。
ビジネス文での判断基準(実用)
迷ったら、この3問で判断してください。
Q1:結果や事実が合っていない?
→ 不一致
Q2:内容や基準と比べて違う?
→ 相違
Q3:人の理解・認識がズレている?
→ 齟齬
よくある誤用と注意点
- ❌ 数値に齟齬がある
→ ⭕ 数値に不一致がある - ❌ 認識の不一致が原因
→ ⭕ 認識に齟齬がある - ❌ 事実と齟齬がある
→ ⭕ 事実と相違がある
👉 齟齬は「人の理解」に限定すると安全。
表現の硬さ・ニュアンスの違い
| 表現 | 硬さ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 不一致 | 普通 | 状況説明 |
| 相違 | やや硬い | 公的・ビジネス |
| 齟齬 | 硬い | 調整・説明責任 |
まとめ|齟齬・相違・不一致の違い
- 不一致:一致していない状態
- 相違:基準や内容との違い
- 齟齬:認識・理解の食い違い
文章では、状態か/比較か/認識か この視点で選ぶと誤用を防げます。
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