ビジネスメールで使える「謙譲語」完全ガイド【信頼度アップの実例40選】

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ビジネスメールで「させていただきます」を多用していませんか?

適切な謙譲語の使い方は、あなたのビジネス文書の印象を大きく左右します。

この記事では、ビジネスシーンで使える謙譲語の正しい使い方から、よくある間違いまでを徹底解説します。

この記事でわかること

  • 謙譲語の基本と3つの種類
  • シーン別・相手別の正しい謙譲語選び
  • コピペで使える40の例文テンプレート
  • プロが教える謙譲語の間違いチェックリスト
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  1. 謙譲語の基本と種類
    1. 謙譲語Ⅰ型(古典的な謙譲語)
    2. 謙譲語Ⅱ型(丁重語)
    3. 「お/ご〜する」形式の謙譲語
  2. 使い分けのポイント
    1. 相手との関係性による使い分け
      1. 取引先・上司向け(最も丁寧)
      2. 社内の同僚・部下向け(やや丁寧)
      3. 親しい取引先(適度な丁寧さ)
    2. 場面別の適切な謙譲語選び
      1. 依頼する場面
      2. お詫びする場面
      3. 感謝を伝える場面
    3. 過度な謙譲表現を避けるコツ
  3. よくある間違いと誤用例
    1. 「させていただく」の誤用
    2. 「お/ご〜」と「〜いたす」の二重敬語
    3. 謙譲語と尊敬語の混同
    4. 謙譲語と尊敬語の対応表
  4. 実践的な例文集
    1. メール例文(依頼)
      1. 資料の送付依頼
      2. 日程調整の依頼
      3. 回答依頼
    2. メール例文(お詫び)
      1. 納品遅延のお詫び
      2. ミスのお詫び
      3. 返信遅延のお詫び
    3. メール例文(報告・通知)
      1. 進捗報告
      2. 完了報告
      3. 変更通知
    4. ビジネス会話での例文
      1. 電話応対
      2. 来客対応
      3. 商談時
  5. 謙譲語の歴史と背景
    1. 謙譲語の起源
    2. 現代における謙譲語の変化
    3. 世代間ギャップと謙譲語
  6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1: 「いたす」と「する」の違いは何ですか?
    2. Q2: 「させていただく」はどんな時に使うべきですか?
    3. Q3: 社内メールでも謙譲語を使うべきですか?
    4. Q4: 外国人のビジネスパートナーへのメールでも謙譲語を使うべきですか?
    5. Q5: 「ご覧になる」と「拝見する」はどう使い分ければよいですか?

謙譲語の基本と種類

謙譲語とは、自分や自分側の行為を低める(謙る)ことで、間接的に相手を敬う表現方法です。

ビジネスメールでは、適切な謙譲語の使用が信頼性と印象を大きく左右します。

謙譲語は大きく分けて以下の3種類があります。

謙譲語Ⅰ型(古典的な謙譲語)

自分の動作を直接的に低める表現で、最も基本的な謙譲語です。

一般語謙譲語Ⅰ型
言う申す・申し上げる
聞く伺う・お伺いする
見る拝見する
するいたす
行く・来る参る・伺う
知る存じる
会うお目にかかる
もらういただく
あげる差し上げる

謙譲語Ⅱ型(丁重語)

自分の動作を丁重に表現する言葉で、相手に対する配慮を示します。

一般語謙譲語Ⅱ型
思う存じる
ですでございます
いるおる
行くまいる
見る拝見する

「お/ご〜する」形式の謙譲語

動詞に「お/ご」と「する/いたす」を組み合わせた形式です。

一般語お/ご〜する形式
待つお待ちする
答えるお答えする
電話するお電話する
案内するご案内する
説明するご説明する

ビジネスシーンでは、これらの謙譲語を状況に応じて使い分けることが重要です。

特に「お/ご〜する」形式は現代のビジネスメールで多用される傾向にあります。

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使い分けのポイント

謙譲語をビジネスメールで効果的に使いこなすためのポイントを解説します。

相手との関係性による使い分け

取引先・上司向け(最も丁寧)

「申し上げる」「ご案内申し上げます」など、最も丁寧な表現を使用

例:「明日の会議について、ご連絡申し上げます」

社内の同僚・部下向け(やや丁寧)

「いたします」「お伝えします」など、やや簡略化した表現を使用

例:「資料を送付いたします」

親しい取引先(適度な丁寧さ)

基本的な謙譲語を使いつつも、硬すぎない表現を選択

例:「お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします」

場面別の適切な謙譲語選び

依頼する場面

  • 「お願い申し上げます」「ご検討いただけますと幸いです」
  • 相手の負担を考慮した表現を選ぶ

お詫びする場面

  • 「深くお詫び申し上げます」「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」
  • 誠意が伝わる丁寧な表現を使用

感謝を伝える場面

  • 「ご協力いただき、誠にありがとうございます」「心より感謝申し上げます」
  • 相手の行為に対する敬意を示す表現

過度な謙譲表現を避けるコツ

過剰な謙譲語の使用は、かえって読みづらさやうっとうしさを生むことがあります。

  • 一文に謙譲語は1〜2個まで:「ご連絡申し上げますので、ご確認いただけますと幸いに存じます」→「ご連絡いたしますので、ご確認いただければ幸いです」
  • 「させていただく」の乱用を避ける:必要な場面のみで使用する
  • 文脈に合った自然な表現を心がける:不自然に丁寧すぎる表現は避ける
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よくある間違いと誤用例

謙譲語のよくある間違いを把握し、正しい使い方を身につけましょう。

「させていただく」の誤用

「させていただく」は「許可をいただいて〜する」という意味を持ちます。

許可が不要な場面での使用は誤りです。

🚫 誤用例: 「本日は欠席させていただきます」(許可が必要ない状況)

正しい例: 「本日は欠席いたします」

「お/ご〜」と「〜いたす」の二重敬語

「お/ご」と「いたす」を重ねると二重敬語になり、誤用となります。

🚫 誤用例: 「お伺いいたします」(「伺う」は既に謙譲語)

正しい例: 「伺います」または「お伺いします」

謙譲語と尊敬語の混同

相手の行為には尊敬語、自分の行為には謙譲語を使うのが基本です。

🚫 誤用例: 「課長がご連絡申し上げます」(相手の行為に謙譲語)

正しい例: 「課長がご連絡いたします」または「課長からご連絡があります」

謙譲語と尊敬語の対応表

行為自分の行為(謙譲語)相手の行為(尊敬語)
言う申し上げるおっしゃる
聞く伺うお聞きになる
見る拝見するご覧になる
するいたすなさる
行く伺う・参るいらっしゃる
来る参るお越しになる
知る存じるご存知である
会うお目にかかるお会いになる
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実践的な例文集

ビジネスシーンで使える謙譲語の例文を紹介します。

コピーして使えるテンプレートとしてお役立てください。

メール例文(依頼)

資料の送付依頼

「お忙しいところ恐縮ですが、先日お話した企画書をお送りいただけますでしょうか。弊社での検討資料として使用させていただきます。」

日程調整の依頼

「次回の打ち合わせ日程について、ご都合を伺いたく存じます。下記の候補日時でご都合はいかがでしょうか。」

回答依頼

「本件につきまして、5月15日までにご回答いただければ幸いです。何かご不明な点がございましたら、いつでもお問い合わせください。」

メール例文(お詫び)

納品遅延のお詫び

「納品の遅延につきまして、深くお詫び申し上げます。社内での生産調整により、予定より3日ほど遅れる見込みでございます。」

ミスのお詫び

「先日お送りした資料に誤りがございました。心よりお詫び申し上げます。正しい資料を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。」

返信遅延のお詫び

「ご連絡が遅くなり、誠に申し訳ございません。お問い合わせいただいた件につきまして、以下のとおりご回答いたします。」

メール例文(報告・通知)

進捗報告

「プロジェクトの進捗状況につきまして、ご報告申し上げます。現在、予定通り第一段階を完了し、次のフェーズに移行する準備を進めております。」

完了報告

「ご依頼いただいた資料の作成が完了いたしましたので、添付にてお送りいたします。ご確認いただけますと幸いです。」

変更通知

「会議の開催場所が変更となりましたので、ご連絡申し上げます。新しい会場は本社5階会議室Aとなります。」

ビジネス会話での例文

電話応対

「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇の山田でございます。ご用件を承ります。」

来客対応

「本日はお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます。会議室にご案内いたします。」

商談時

「弊社の提案内容についてご説明させていただきます。ご不明点がございましたら、いつでもお申し付けください。」

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謙譲語の歴史と背景

謙譲語は日本の伝統的な階級社会と深く結びついています。

その発展と現代での変化を理解することで、より適切に使用できるようになります。

謙譲語の起源

謙譲語は平安時代から発達し始め、武家社会で体系化されました。

自分を低め、相手を立てるという日本の「謙譲の美徳」を言語化したものです。

当初は宮中での使用が中心でしたが、江戸時代に庶民の間にも広がり、明治以降のビジネス社会の発展とともに、ビジネス敬語として定着していきました。

現代における謙譲語の変化

現代のビジネスコミュニケーションでは、謙譲語の使用が簡素化される傾向にあります。

  • 複雑な古典的表現から、「お/ご〜する/いたす」形式への移行
  • メールなどの文字コミュニケーションでの謙譲語重視
  • グローバル化による敬語表現の簡略化

世代間ギャップと謙譲語

世代によって謙譲語の使用傾向は異なります。

  • 50代以上:伝統的な謙譲語を重視
  • 30-40代:基本的な謙譲語を適切に使用
  • 20代以下:簡略化された謙譲語を使用する傾向

ビジネスでは相手の年齢や立場に合わせた表現選びが重要です。

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まとめ

謙譲語はビジネスコミュニケーションの基本であり、適切に使いこなすことで信頼関係構築につながります。

覚えておきたいポイント

  • 謙譲語は自分の行為を低めることで相手を敬う表現
  • 相手との関係性や場面に応じて使い分ける
  • 過剰な使用や誤用は避ける
  • 基本的な謙譲語の種類(Ⅰ型、Ⅱ型、お/ご〜する形式)を理解する
  • 謙譲語と尊敬語を混同しない

ビジネスメールや会話で適切な謙譲語を使うことで、あなたの印象とメッセージの受け取られ方は大きく変わります。

この記事で紹介した例文やポイントを参考に、状況に応じた謙譲語の使い分けを実践してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 「いたす」と「する」の違いは何ですか?

A: 「いたす」は「する」の謙譲語で、自分の行為を謙虚に表現する言葉です。

ビジネスシーンでは「送付いたします」「確認いたします」のように使います。

「する」より丁寧な印象を与えますが、親しい間柄では堅苦しく感じられることもあります。

Q2: 「させていただく」はどんな時に使うべきですか?

A: 「させていただく」は「相手の許可や恩恵により〜する」という意味合いを持ちます。

相手の許可や承諾が前提となる場面、または感謝の意を表したい場面で使用するのが適切です。

例えば「お時間をいただければ、ご説明させていただきます」などです。

Q3: 社内メールでも謙譲語を使うべきですか?

A: 社内メールでは、相手との関係性によって使い分けるのが良いでしょう。

上司や先輩には基本的な謙譲語を使い、同僚や部下には過度に堅苦しくならない程度の敬語を使用するのがバランスが良いとされています。

ただし、会社の文化や風土によっても異なりますので、周囲の使用傾向を参考にするとよいでしょう。

Q4: 外国人のビジネスパートナーへのメールでも謙譲語を使うべきですか?

A: 外国人とのやり取りでは、理解しやすい簡潔な敬語表現を心がけるのがよいでしょう。

基本的な謙譲語(「いたします」「申し上げます」など)は使いつつも、複雑な表現や二重敬語は避け、明確でわかりやすい文章を心がけましょう。

また、英語でのコミュニケーションの場合は、相応の丁寧表現(Would you kindly~など)を使用するとよいでしょう。

Q5: 「ご覧になる」と「拝見する」はどう使い分ければよいですか?

A: 「ご覧になる」は尊敬語で相手の行為に使い、「拝見する」は謙譲語で自分の行為に使います。

  • 正しい例:「資料を拝見しました」(自分が見る行為)
  • 正しい例:「資料をご覧になりましたか?」(相手が見る行為)
  • 誤った例:「私がご覧になりました」(自分の行為に尊敬語)
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