「承知」「了解」「了承」の違いと使い分け【ビジネス敬語の完全マスター】

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ビジネスシーンで「承知しました」「了解です」「了承いたします」という表現を使い分けていますか?

これらの言葉は一見似ていますが、実は使うべき相手や場面が大きく異なります。

間違った使い方をすると、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。

この記事では、「承知」「了解」「了承」の意味の違いから、相手別・場面別の正しい使い分け方まで、豊富な例文とともに詳しく解説します。

この記事を読めば、どんな相手に対しても適切な敬語で返答できるようになります。

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  1. 「承知」「了解」「了承」の基本的な違い
    1. 3つの言葉の根本的な違い
    2. 語源から理解する違い
      1. 「承知」の語源
      2. 「了解」の語源
      3. 「了承」の語源
  2. 「承知」の意味と正しい使い方
    1. 「承知」の基本的な意味
    2. 「承知」が適切な場面
      1. ✅ 使うべき相手
      2. ✅ 使うべき場面
    3. 「承知」の正しい表現パターン
      1. 基本表現
      2. より丁寧な表現
    4. 「承知」を使った実践例文
      1. 指示を受けた場合
      2. 依頼を受けた場合
      3. 確認を求められた場合
  3. 「了解」の意味と正しい使い方
    1. 「了解」の基本的な意味
    2. 「了解」が適切な場面
      1. ✅ 使うべき相手
      2. ✅ 使うべき場面
    3. 「了解」の正しい表現パターン
      1. 基本表現
      2. カジュアルな表現
    4. 「了解」を使った実践例文
      1. 同僚からの連絡
      2. 部下への指示確認
      3. チーム内の調整
  4. 「了承」の意味と正しい使い方
    1. 「了承」の基本的な意味
    2. 「了承」が適切な場面
      1. ✅ 使うべき相手
      2. ⚠️ 注意が必要な相手
    3. 「了承」の正しい表現パターン
      1. 相手に了承を求める場合
      2. 自分が了承する場合
    4. 「了承」を使った実践例文
      1. 相手に了承を求める場合
      2. 制約事項を伝える場合
      3. 変更事項を通知する場合
  5. 相手別・場面別の使い分けルール
    1. 社内での使い分け
      1. 目上の人(上司・役員)に対して
      2. 同僚・同期に対して
      3. 部下・後輩に対して
    2. 社外での使い分け
      1. 重要な取引先・顧客
      2. 一般的な取引先
      3. 下請け業者・協力会社
    3. 文書・メール別の使い分け
      1. 正式な契約書・提案書
      2. 一般的なビジネスメール
      3. 社内チャット・簡易連絡
  6. ビジネスメールでの実践例文
    1. 上司からの指示への返信
      1. 例文1:資料作成の依頼
      2. 例文2:会議参加の確認
    2. 同僚との連絡
      1. 例文1:情報共有への返信
      2. 例文2:資料確認の依頼
    3. 取引先への返信
      1. 例文1:提案への回答
      2. 例文2:スケジュール変更への対応
  7. よくある間違いと正しい表現
    1. 間違いパターン1:目上の人に「了解」を使う
    2. 間違いパターン2:相手の行為に「承知」を使う
    3. 間違いパターン3:「了承」を目上の人に使う
    4. 間違いパターン4:過度な美化語の使用
  8. 二重敬語の注意点と回避方法
    1. よくある二重敬語の例
    2. 二重敬語を避ける基本ルール
      1. 一つの語には一つの敬語
      2. 敬語の種類を統一する
      3. 自然な日本語かどうかの確認
    3. 正しい敬語変換の手順
      1. Step 1:主語を明確にする
      2. Step 2:適切な敬語形を選択する
      3. Step 3:文脈に応じた調整
  9. 場面別敬語選択の実践ガイド
    1. 緊急時の対応
    2. 電話での対応
    3. 会議での発言
  10. まとめ:「承知」「了解」「了承」の完全習得
  11. 関連記事

「承知」「了解」「了承」の基本的な違い

3つの言葉の根本的な違い

「承知」「了解」「了承」は、どれも相手の話を理解したことを示す言葉ですが、敬語レベルと使用場面が大きく異なります。

言葉敬語の種類使用相手基本的な意味
承知謙譲語目上→自分が使う事情を知り、聞き入れること
了解丁寧語同等・目下→自分が使う理解して認めること
了承丁寧語同等・目下→相手が使う事情をくんで納得すること

語源から理解する違い

「承知」の語源

  • 「承」: 相手の意向を受け入れる
  • 「知」: 物事を正しく理解する
  • 意味: 目上の人の指示や要求を聞き入れること

「了解」の語源

  • 「了」: 明らかにする、理解する
  • 「解」: 意味を解き明かす
  • 意味: 内容を理解して認めること

「了承」の語源

  • 「了」: 明らかにする、完了する
  • 「承」: 受け入れる、承る
  • 意味: 事情をくんで納得し受け入れること
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「承知」の意味と正しい使い方

「承知」の基本的な意味

「承知」は、目上の人からの指示や依頼を「わかりました」と受け入れる際に使う謙譲語です。

自分の立場を低めることで、相手への敬意を示します。

「承知」が適切な場面

✅ 使うべき相手

  • 直属の上司
  • 会社の役員・経営陣
  • 取引先の担当者
  • 重要な顧客
  • 先輩社員

✅ 使うべき場面

  • 指示を受けた時
  • 依頼を受けた時
  • 確認を求められた時
  • 了承を求められた時

「承知」の正しい表現パターン

基本表現

✅ 承知いたしました
✅ 承知しております
✅ 承知いたします

より丁寧な表現

✅ 承知いたしました。すぐに対応いたします
✅ 承知しております。確認の上、ご連絡いたします
✅ かしこまりました。承知いたします

「承知」を使った実践例文

指示を受けた場合

上司:「来週までに企画書を作成してください」
部下:「承知いたしました。来週水曜日までに完成版をお渡しします」

依頼を受けた場合

取引先:「資料の修正をお願いできますでしょうか」
担当者:「承知いたしました。修正版は明日の午前中にお送りします」

確認を求められた場合

上司:「会議の時間が14時に変更になったことはご存知ですか?」
部下:「はい、承知しております」

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「了解」の意味と正しい使い方

「了解」の基本的な意味

「了解」は、相手の話を理解して認めることを表す言葉です。

本来は上下関係に関係なく使える言葉ですが、現在のビジネスマナーでは目上の人には使わない方が無難とされています。

「了解」が適切な場面

✅ 使うべき相手

  • 同僚・同期
  • 部下・後輩
  • 親しい取引先
  • チームメンバー

✅ 使うべき場面

  • カジュアルな業務連絡
  • 社内チャットやメッセージ
  • 同僚間の確認事項
  • 軽微な依頼への返答

「了解」の正しい表現パターン

基本表現

✅ 了解しました
✅ 了解です
✅ 了解いたします(丁寧版)

カジュアルな表現

✅ 了解!
✅ 了解しました、ありがとうございます
✅ 了解です。こちらで対応します

「了解」を使った実践例文

同僚からの連絡

同僚:「会議資料、共有フォルダにアップしました」
あなた:「了解しました。確認します」

部下への指示確認

あなた:「データ入力、午後までにお願いします」
部下:「了解いたします」

チーム内の調整

メンバー:「明日の打ち合わせ、30分遅れます」
あなた:「了解です。他のメンバーにも連絡しておきますね」
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「了承」の意味と正しい使い方

「了承」の基本的な意味

「了承」は、事情をくんで納得し、承諾することを表します。

「了承する」のは基本的に立場が上の人で、目上の人が目下の人の申し出を受け入れる際に使われます。

「了承」が適切な場面

✅ 使うべき相手

  • 部下・後輩
  • 同僚(同等な立場)
  • 一般的な取引先

⚠️ 注意が必要な相手

  • 直属の上司
  • 会社の役員
  • 重要な取引先

「了承」の正しい表現パターン

相手に了承を求める場合

✅ ご了承ください
✅ ご了承いただけますでしょうか
✅ ご了承のほどよろしくお願いいたします

自分が了承する場合

✅ 了承しました
✅ 了承いたします

「了承」を使った実践例文

相手に了承を求める場合

「申し訳ございませんが、納期が1日遅れる可能性があります。
ご了承いただけますでしょうか」

制約事項を伝える場合

「返品は商品到着後7日以内とさせていただいております。
あらかじめご了承ください」

変更事項を通知する場合

「会議室の変更により、本日の会議は3階で行います。
ご了承のほどよろしくお願いいたします」
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相手別・場面別の使い分けルール

社内での使い分け

目上の人(上司・役員)に対して

✅ 推奨:「承知いたしました」
✅ 推奨:「かしこまりました」
❌ 避ける:「了解しました」
❌ 避ける:「了承しました」

理由: 目上の人には謙譲語を使うのが基本

同僚・同期に対して

✅ 推奨:「了解しました」
✅ 推奨:「承知しました」(やや丁寧)
⚠️ 状況次第:「了承しました」

使い分けのポイント: 関係性と案件の重要度で判断

部下・後輩に対して

✅ 推奨:「了解しました」
✅ 推奨:「了承しました」
⚠️ 注意:「承知しました」(過度に丁寧すぎる場合も)

社外での使い分け

重要な取引先・顧客

✅ 最適:「承知いたしました」
✅ 最適:「かしこまりました」
❌ 避ける:「了解しました」
❌ 避ける:「了承しました」

一般的な取引先

✅ 推奨:「承知いたしました」
✅ 推奨:「了解いたします」(謙譲語をつけて)
⚠️ 場合により:「了承いたします」

下請け業者・協力会社

✅ 推奨:「了解いたします」
✅ 推奨:「承知いたします」
✅ 推奨:「了承いたします」

文書・メール別の使い分け

正式な契約書・提案書

✅ 最高レベル:「ご承知おきください」
✅ 最高レベル:「ご了承のほどお願いいたします」

一般的なビジネスメール

✅ 標準レベル:「承知いたしました」
✅ 標準レベル:「了解いたします」

社内チャット・簡易連絡

✅ 簡潔:「了解です」
✅ 簡潔:「承知しました」
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ビジネスメールでの実践例文

上司からの指示への返信

例文1:資料作成の依頼

件名:Re: 企画書作成のお願い

○○課長

お疲れ様です。△△です。

企画書作成の件、承知いたしました。
来週金曜日までに初稿を作成し、確認していただければと思います。

ご質問等ございましたら、お気軽にお声がけください。

よろしくお願いいたします。

例文2:会議参加の確認

件名:Re: 来週火曜日の会議について

○○部長

いつもお世話になっております。△△です。

来週火曜日14時からの会議の件、承知いたしました。
資料は事前に拝見させていただき、準備して参ります。

当日はよろしくお願いいたします。

同僚との連絡

例文1:情報共有への返信

件名:Re: システムメンテナンスのお知らせ

○○さん

お疲れ様です。

システムメンテナンスの件、了解しました。
該当時間は業務を調整して対応します。

情報共有ありがとうございました。

例文2:資料確認の依頼

件名:Re: 月次報告書の確認

○○さん

了解しました。
明日の午前中までに確認して、コメントをお送りします。

よろしくお願いします。

取引先への返信

例文1:提案への回答

件名:Re: 新サービスのご提案

○○株式会社
○○様

いつもお世話になっております。

新サービスのご提案をいただき、ありがとうございます。
内容について承知いたしました。

社内で検討させていただき、来週中にはお返事いたします。

今後ともよろしくお願いいたします。

例文2:スケジュール変更への対応

件名:Re: 打ち合わせ日程変更のお願い

○○株式会社
○○様

お疲れ様です。

打ち合わせ日程変更の件、承知いたしました。
こちらも都合を調整いたします。

新しい日程が決まりましたら、改めてご連絡ください。
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よくある間違いと正しい表現

間違いパターン1:目上の人に「了解」を使う

❌ 間違った表現

上司:「資料を修正してください」
部下:「了解しました」

✅ 正しい表現

上司:「資料を修正してください」
部下:「承知いたしました」

間違いの理由: 「了解」は目上の人には失礼にあたる可能性があります。

間違いパターン2:相手の行為に「承知」を使う

❌ 間違った表現

「お忙しい中、ご承知いただきありがとうございます」

✅ 正しい表現

「お忙しい中、ご了承いただきありがとうございます」

間違いの理由: 「承知」は自分の行為に使う謙譲語のため、相手の行為には使えません。

間違いパターン3:「了承」を目上の人に使う

❌ 間違った表現

部下:「了承しました」(上司への返答)

✅ 正しい表現

部下:「承知いたしました」

間違いの理由: 「了承」には「受け入れてあげる」というニュアンスがあるため、目上の人には不適切です。

間違いパターン4:過度な美化語の使用

❌ 間違った表現

「承知の方、させていただきました」

✅ 正しい表現

「承知いたしました」

間違いの理由: 「〜の方」は不要な美化語で、却って不自然になります。

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二重敬語の注意点と回避方法

よくある二重敬語の例

❌ 二重敬語:「ご承知していただく」

問題:「ご〜する」と「いただく」の敬語重複
正しい表現:「承知していただく」または「ご承知いただく」

❌ 二重敬語:「了解させていただきます」

問題:「了解」自体が理解を示す語に「させていただく」は不適切
正しい表現:「了解いたします」または「理解させていただきます」

❌ 二重敬語:「ご了承いただかせていただきます」

問題:「いただく」と「させていただく」の敬語重複
正しい表現:「ご了承いただきます」

二重敬語を避ける基本ルール

一つの語には一つの敬語

✅ 正しい:「承知いたします」
❌ 間違い:「ご承知させていただきます」

敬語の種類を統一する

✅ 尊敬語:「ご了承になる」
✅ 謙譲語:「承知いたす」
❌ 混在:「ご承知いたす」

自然な日本語かどうかの確認

判断基準:声に出して読み、違和感がないか
違和感がある場合:敬語の使い方を見直す

正しい敬語変換の手順

Step 1:主語を明確にする

自分の行為 → 謙譲語を使用(承知いたします)
相手の行為 → 尊敬語を使用(ご了承いただく)

Step 2:適切な敬語形を選択する

謙譲語:承知いたします、了解いたします
尊敬語:ご了承ください、ご了承いただく

Step 3:文脈に応じた調整

相手との関係性:敬語レベルの調整
場面の重要性:表現の丁寧さの調整
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場面別敬語選択の実践ガイド

緊急時の対応

緊急度が高い場合

✅ 簡潔で確実:「承知いたしました。すぐに対応します」
✅ 緊急時でも丁寧:「了解いたしました。急ぎ対応いたします」

緊急度は低いが重要な案件

✅ 丁寧な確認:「承知いたしました。詳細を確認の上、対応いたします」

電話での対応

受話時の基本パターン

✅ 標準:「承知いたしました」
✅ より丁寧:「かしこまりました。承知いたします」

復唱確認時

✅ 確認表現:「○○の件について承知いたしました。念のため確認いたしますが…」

会議での発言

指示を受けた場合

✅ 会議での応答:「承知いたしました。○月○日までに対応いたします」

提案への反応

✅ 検討の意思表示:「貴重なご提案、承知いたしました。検討させていただきます」
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まとめ:「承知」「了解」「了承」の完全習得

「承知」「了解」「了承」の使い分けは、ビジネスコミュニケーションにおける信頼関係構築の基礎となります。

適切な使い分けにより、相手に対する敬意を示し、円滑な人間関係を築くことができます。

使い分けの基本原則

相手との関係性を最優先

  • 目上の人:「承知」を基本とする
  • 同僚・部下:「了解」「了承」も使える

場面の重要性を考慮

  • 重要な案件:より丁寧な表現を選択
  • 日常業務:適度な丁寧さで効率重視

敬語の基本ルールを守る

  • 二重敬語の回避
  • 自然な日本語であること

相手の立場への配慮

  • 謙譲語と尊敬語の正しい使い分け
  • 過度でも不足でもない適切なレベル

実践のためのチェックポイント

□ 相手の立場に応じた敬語レベルの選択
□ 自分と相手の行為の区別(謙譲語・尊敬語)
□ 二重敬語の回避
□ 場面に応じた適切な表現の選択
□ 自然で品格のある表現

継続的な向上のために

敬語は実際の使用を通じて身につくスキルです。

この記事の内容を参考に、日々のビジネスシーンで適切な「承知」「了解」「了承」の使い分けを実践し、より洗練されたコミュニケーション能力を身につけてください。

相手への敬意と配慮を込めた適切な返答により、ビジネス関係の質を高め、成果の向上につなげることができます。

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