「本年」「今年」「本年度」は、
- ビジネスメール
- 挨拶文
- 公用文
- 年度切り替え時期(1〜4月)
に特に迷いやすい表現です。
どれも「今」を指しているようで、
- 何が違うのか分からない
- 丁寧にしようとすると不安になる
- 年度と年が混ざる
という状態に陥りがちです。
結論から言うと、この3つは「基準」と「公式度」が明確に異なります。
まず押さえるべき前提|年と年度は別物
混乱の最大の原因は、
- 年(暦年)
- 年度(制度上の年)
を混同していることです。
年(暦年)
- 1月1日〜12月31日
年度(多くの場合)
- 4月1日〜翌年3月31日
この違いを押さえるだけで、8割の混乱は解消されます。
「今年」の意味と使い方
意味
暦年における現在の年を指す、最も日常的な表現です。
ニュアンス
- 口語的
- 親しみやすい
- 会話向き
主な使用場面
- 会話
- カジュアルなメール
- 一般的な文章
例文
- 今年は暑い日が続いています。
- 今年もお世話になりました。
👉 迷ったら使える基本形。
「本年」の意味と使い方
意味
こちらも暦年における現在の年を指します。
「今年」と意味は同じです。
ニュアンス
- 書き言葉
- 改まった表現
- 公式寄り
主な使用場面
- ビジネス文書
- 挨拶状
- 年賀状・礼状
- 公的文書
例文
- 本年も格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 本年中は大変お世話になりました。
👉 丁寧さ・格式を出したいときに使う言葉。
「本年度」の意味と使い方
意味
現在進行中の年度を指します。
暦年ではなく、制度上の期間が基準です。
ニュアンス
- 事務的
- 制度的
- 公的
主な使用場面
- 公用文
- 規程・要項
- 事業計画
- 予算・決算資料
例文
- 本年度の事業計画を報告いたします。
- 本年度予算は以下のとおりです。
👉 「年」ではなく「期間管理」の言葉。
3語の違い【一目で分かる比較表】
| 表現 | 基準 | 意味 | 公式度 | 主用途 |
|---|---|---|---|---|
| 今年 | 暦年 | 今の年 | 低 | 会話・一般文 |
| 本年 | 暦年 | 今の年 | 中〜高 | 書き言葉・挨拶 |
| 本年度 | 年度 | 今の年度 | 高 | 公用文・制度文書 |
なぜ「本年」と「本年度」を間違えやすいのか
- どちらも「本」が付く
- 丁寧そうに見える
- 年度の概念が曖昧
しかし、
本年=暦年
本年度=年度
と分けて考えれば混乱しません。
使い分けの判断基準(これだけ覚えればOK)
- 会話・日常 → 今年
- 改まった文章 → 本年
- 制度・計画 → 本年度
👉 丁寧さを出したいからといって、本年度を使うのは誤り。
よくある誤用例
❌ 年末の挨拶で「本年度」
- 本年度もお世話になりました。
👉 年度はまだ終わっていない可能性が高い。
⭕ 正解
- 本年もお世話になりました。
年末〜年度末に特に注意
- 12月:年末だが年度途中
- 3月:年度末だが年途中
この時期は、本年/本年度の使い分けが特に重要です。
結論|「基準」で選べば迷わない
- 今年・本年 → 暦年
- 本年度 → 年度
正しい日本語とは、意味が正しく、場面に合っていることです。
この基準で選べば、年度表現で迷うことはなくなります。
