「本年度」「今年度」は、どちらもビジネス文書や公的文書で頻繁に使われる言葉です。
意味はほぼ同じように見えますが、
- どちらがより正式?
- 公用文ではどっち?
- メールではどちらが自然?
と迷う方は少なくありません。
結論から言うと、意味は同じでも“使う場面の公式度”が違います。
本記事では、
- 本年度・今年度の正確な意味
- ニュアンスの違い
- 公用文・ビジネス・日常での使い分け
- よくある誤用
を一つずつ整理し、もう迷わなくなる判断基準を解説します。
「年度」とはそもそも何か
まず前提として、「年度」は暦年(1月〜12月)ではありません。
一般的な年度:
- 4月1日〜翌年3月31日
※学校・行政・多くの企業で共通
この「年度」という区切りを基準に、「本年度」「今年度」という言葉が使われます。
「本年度」の意味と特徴
意味
現在進行中の年度を指す、非常に公式度の高い表現。
ニュアンス
- 公的
- 書き言葉
- 事務的
- 文書向き
よく使われる場面
- 公用文
- 官公庁文書
- 規程・要項
- 事業計画書
- 決算・予算関連文書
例文
- 本年度の予算は次のとおりとする。
- 本年度事業計画について報告いたします。
👉 硬く、ブレのない表現が求められる場面向き。
「今年度」の意味と特徴
意味
こちらも現在進行中の年度を指します。
意味自体は「本年度」と同じです。
ニュアンス
- やや柔らかい
- ビジネス向き
- 読み手に親切
よく使われる場面
- ビジネスメール
- 社内文書
- 説明資料
- 社外向け案内
例文
- 今年度の目標について共有いたします。
- 今年度は新規施策を強化します。
👉 人が読む文章に向いた表現です。
本年度と今年度の違い【比較表】
| 項目 | 本年度 | 今年度 |
|---|---|---|
| 意味 | 同じ | 同じ |
| 公式度 | 高い | 中〜高 |
| 印象 | 事務的・硬い | やや柔らかい |
| 主な用途 | 公用文・規程 | ビジネス文書・説明 |
| 会話 | ほぼ使わない | たまに使う |
なぜ「本年度」は硬く感じるのか
理由は主に3つあります。
① 漢語+指示語の組み合わせ
「本」+「年度」という構成は、公用文特有の形式です。
② 感情が入らない
「本年度」は事実・期間を淡々と示すため、温度感がありません。
③ 会話で使われない
口語ではほぼ使われないため、メールで使うと浮きやすくなります。
どちらを使うべき?判断基準
本年度を使うべき場面
- 公的資料
- 規程・約款
- 決算・予算関連
- 書式が決まった文書
今年度を使うべき場面
- ビジネスメール
- 社内共有
- 説明資料
- 柔らかさが必要な文章
迷ったらこの一文
人が読む文章 → 今年度
制度・書式の文章 → 本年度
よくある誤解と注意点
❌ 「今年」と同じだと思う
- 今年:1月〜12月
- 今年度:4月〜翌3月
👉 混同すると期間ズレが起きます。
❌ 文中で混在させる
同じ文書内で
- 本年度
- 今年度
を混ぜるのはNG。
👉 どちらかに統一しましょう。
実践例文(シーン別)
公用文・規程
- 本年度の事業計画を以下のとおり定める。
ビジネスメール
- 今年度の目標についてご共有いたします。
社内資料
- 今年度は売上拡大を重点施策とします。
結論|意味より「場面」で選ぶ
- 意味は同じ
- 違うのは公式度
- 本年度=硬い・制度向け
- 今年度=柔らかい・人向け
正しい日本語とは、意味が合っていること+場面に合っていることです。
この基準で選べば、「本年度」「今年度」で迷うことはなくなります。
