🚨結論:使い分けの基本ルール
「ご高配」と「ご厚情」の違いは、使う相手と場面の格式レベルです。
- ご高配=外向け・公式(取引先・顧客・年賀状)
- ご厚情=内向け・親近感(社内・親しい取引先・スピーチ)
- 迷ったら「ご高配」(安全策)
| 表現 | 使う相手・場面 | トーン |
|---|---|---|
| ご高配 | 取引先・顧客・目上/年賀状・公式文書・初回挨拶 | フォーマル・格式高い |
| ご厚情 | 社内・親しい取引先/スピーチ・お礼状 | 親しみ・温かみ |
この記事でわかること
- 「ご高配」「ご厚情」の一文定義と使い分けルール
- シーン別の適切な使い方と45の実践例文・テンプレート
- よくある誤用例と正しい修正方法、構造化FAQ
読む時間:約6分
この記事はこんな人向け
- ビジネスメールで正しい敬語を使いたい方
- 年賀状や挨拶状で適切な表現を選びたい方
- 敬語の使い分けに自信を持ちたい社会人の方
「ご高配」とは?意味・読み方・使い方
ご高配(ごこうはい)とは、目上の人からの高い配慮や特別な気遣いを敬って表現する言葉です。
「高配」の「高」は尊敬の意味を表し、主に取引先や顧客など外部の目上の人に対して使用します。
年賀状、挨拶状、フォーマルなビジネスメールなど、格式を重んじる場面で用いる敬語表現です。
類語・言い換え: ご配慮、ご高察、お心遣い
英語表現: your kind consideration, continued support
ご高配を使った例文10選
年賀状・挨拶状での例文:
- 「旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。」
- 「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「日頃よりご高配を賜り、心より感謝申し上げます。」
ビジネスメールでの例文:
- 「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「いつもご高配いただき、誠にありがとうございます。」
- 「今後ともご高配のほど、よろしくお願い申し上げます。」
公式文書での例文:
- 「株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「関係者の皆様のご高配により、事業を推進できております。」
- 「ご高配を賜りまして、誠にありがとうございます。」
- 「今後とも変わらぬご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。」
「ご厚情」とは?意味・使い方
ご厚情(ごこうじょう)とは、相手の厚い情けや温かい心遣いに対する感謝を表現する言葉です。
「厚情」は人間的なつながりや温かい気持ちを重視する表現で、社内の挨拶、個人的なお礼状、親しい取引先との関係性を大切にしたい場面で使用されます。
「ご高配」よりも親しみやすく、温かみのあるニュアンスが特徴です。
類語・言い換え: ご厚誼(ごこうぎ)、ご好意、お情け
英語表現: your warm kindness, warm support
ご厚情を使った例文10選
社内スピーチでの例文:
- 「皆様のご厚情に支えられ、今日まで業務を続けることができました。」
- 「本日は多くの皆様のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。」
- 「温かいご厚情をいただき、心より感謝申し上げます。」
お礼状での例文:
- 「日頃よりご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。」
- 「皆様のご厚情により、充実した日々を過ごしております。」
- 「いつもご厚情をお寄せいただき、ありがとうございます。」
親しい関係での例文:
- 「皆様のご厚情に甘えて、今日まで歩んでまいりました。」
- 「ご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「温かいご厚情に包まれ、安心して業務に取り組めています。」
- 「今後ともご厚情のほど、よろしくお願いいたします。」
📧 年賀状・挨拶状で使える”そのまま使える”定型文 10例
年賀状向け定型文
- 「旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。」
- 「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も倍旧のご愛顧のほど、お願い申し上げます。」
- 「昨年中は一方ならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。」
挨拶状向け定型文
- 「日頃よりご高配を賜り、誠にありがとうございます。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
- 「皆様のご厚情により、無事に業務を遂行することができております。」
転勤・異動挨拶向け
- 「在任中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「皆様の温かいご厚情に支えられ、充実した日々を過ごすことができました。」
- 「今後ともご高配のほど、よろしくお願い申し上げます。」
- 「引き続きご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。」
- 「末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。平素のご高配に心より感謝いたします。」
💼 ビジネスメール件名・本文テンプレ 10例
感謝を伝えるメール
- 件名:「ご支援のお礼」
本文:「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」 - 件名:「お世話になっております」
本文:「いつもご厚情をいただき、誠にありがとうございます。」
挨拶メール
- 件名:「ご挨拶」
本文:「日頃よりご高配を賜り、心より感謝申し上げます。」 - 件名:「新年のご挨拶」
本文:「旧年中は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。」
お願いメール
- 件名:「ご相談のお願い」
本文:「平素はご厚情を賜り、ありがとうございます。」 - 件名:「ご協力のお願い」
本文:「いつもご高配いただき、心より感謝申し上げます。」
報告メール
- 件名:「業務完了のご報告」
本文:「ご高配により、無事に完了いたしました。」 - 件名:「進捗状況のご報告」
本文:「皆様のご厚情に支えられ、順調に進んでおります。」
締めの表現
- 本文末尾:「今後ともご高配のほど、よろしくお願い申し上げます。」
- 本文末尾:「引き続きご厚情を賜りますよう、お願いいたします。」
シーン別の使い分け【比較表】
| 使用場面 | ご高配 | ご厚情 | 選択理由 |
|---|---|---|---|
| 公式な年賀状・挨拶状 | ◎ | △ | 格式高い文書では「ご高配」が適切 |
| ビジネスメール冒頭 | ◎ | △ | フォーマルな場面を重視 |
| 取引先への感謝状 | ◎ | ○ | 関係性により使い分け |
| 社内スピーチ・挨拶 | △ | ◎ | 親近感と温かみを重視 |
| 個人的なお礼状 | △ | ◎ | 人間味のある表現が適切 |
| 長期的な支援への感謝 | ◎ | ○ | 継続的な関係性を表現 |
ポイント: 外向け・公式=「ご高配」、内向け・親近感=「ご厚情」で覚えましょう。
よくある誤用例【修正版つき】
間違い1:格式レベルの不一致
🚫 誤用例: 「日頃のご厚情に感謝申し上げます」(取引先への年賀状で)
✅ 修正版: 「日頃のご高配に感謝申し上げます」
公式な年賀状では格式の高い「ご高配」を選ぶべきです。
「ご厚情」だと親しみすぎる印象を与える可能性があります。
間違い2:関係性に合わない表現
🚫 誤用例: 「平素より格別のご高配をいただき、ありがとうございます」(友人宛の手紙で)
✅ 修正版: 「平素より格別のご厚情をいただき、ありがとうございます」
個人的な関係では「ご厚情」の方が自然で、相手との距離感を適切に表現できます。
間違い3:併用による不自然さ
🚫 誤用例: 「ご高配とご厚情を賜り、誠にありがとうございます」
✅ 修正版: 「ご高配を賜り、誠にありがとうございます」または「ご厚情を賜り、誠にありがとうございます」
一文中での併用は意味が重複し不自然です。
文脈に応じてどちらか一方を選択しましょう。
間違い4:時制の不一致
🚫 誤用例: 「今後ともご厚情を賜り、ありがとうございました」
✅ 修正版: 「今後ともご厚情を賜りますよう、お願いいたします」
未来への依頼と過去への感謝が混在しています。
「今後とも」なら「お願い」、感謝なら「これまで」と時制を合わせましょう。
間違い5:敬語レベルの不統一
🚫 誤用例: 「ご高配してもらい、ありがとうございます」
✅ 修正版: 「ご高配を賜り、誠にありがとうございます」
「してもらい」は敬語レベルが低すぎます。
「ご高配」を使う場面では「賜り」などの謙譲語を使いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:ご高配とご厚情、どちらがよりフォーマルですか?
ご高配の方が格式が高く、フォーマルな場面に適しています。
ビジネス文書や公式な挨拶状では「ご高配」を選ぶのが一般的です。
「ご厚情」は温かみがあり、親しみやすい表現として使われます。
Q2:ご高配とご厚情の英語表現は何ですか?
「ご高配」は”your kind consideration”、「ご厚情」は”your warm kindness”が適切です。
ただし、日本語の敬語ほど細かいニュアンスの違いはありません。
英文ビジネスメールでは”your continued support”などが一般的です。
Q3:ご厚情をビジネスメールで使うのは間違いですか?
間違いではありませんが、相手との関係性を考慮する必要があります。
初回の取引先や格式を重んじる相手には「ご高配」が安全です。
長期的な取引がある親しい関係性なら「ご厚情」も適切に使えます。
Q4:ご高配のほどとご高配賜りの違いは何ですか?
「ご高配のほど」は依頼・お願いの表現、「ご高配賜り」は感謝の表現です。
「のほど」は「〜してください」の意味で、「賜り」は「いただいて」の謙譲語です。
文脈に応じて使い分けましょう。
Q5:ご高配とご厚情を併用してもよいですか?
一文中での併用は意味が重複し不自然なので避けましょう。
文脈に応じてどちらか一方を選択するのが正解です。
相手や場面を考慮して、より適切な方を選んでください。
まとめ【覚えておきたい一言】
- 「ご高配」=外部・公式・格式重視の場面で使用
- 「ご厚情」=内部・親近感・温かみ重視の場面で使用
- 迷った時は「ご高配」を選ぶのが安全策
- 併用は避け、文脈に応じてどちらか一方を選択
==相手との関係性と場面の格式レベルを見極めることが、適切な敬語使い分けの鍵==
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